産地からダージリンセカンドフラッ…

産地からダージリンセカンドフラッシュの第一報が届きました。
弊社はどこの産地についても複数の仕入れルートを確保するポリシーなので、情報も複数もたらされます。しかし、多くの農園では、5月下旬に収穫が始まるとのレポートが先週来たばかりなので、こんなに早いセカンドフラッシュの収穫のスタートは、ちょっと意外です。

しかしまあ、生の情報なんてそんなものだと思ってください。私も実際にテイスティングするまでは、収穫されたその紅茶が、本当にセカンドフラッシュクオリティかどうかは断言できません。逆に昨年のマカイバリのように、摘み始めにピーククオリティが訪れることもあるので、早すぎるということもありません。

そうそう、マカイバリといえば、今年もまたウンカが来襲しているそうですよ。

ウンカが来ると、セカンドフラッシュの収穫のスタートは10日ほど遅れます。これは農園にとってはあまりよい出来事ではないのですが、そのかわりそのあと収穫されるセカンドフラッシュが、極上の出来栄えとなる確率は高まります。

いずれにせよこれは、きちんと手入れをされている有機農園の宿命といえるでしょう。金銭では換えられない価値があるということをよく理解しているマカイバリ農園の経営姿勢は、私も大好きです。無事と幸運を心よりお祈りいたします。

産地の息吹 > ダージリン | - | -2004.05.13 Thursday

最近の茶飲み話のコーナーは、かな…

最近の茶飲み話のコーナーは、かなり詳しい方や、既に紅茶の仕事をされている方、これから紅茶の仕事をしたいと思っている方が読まれていることと思います。私もそういう方に面白がってもらうよう、通常の書籍とかには出てこないような知識とか情報をここに書いています。そこで、そういう状況に甘えて、今日は極めつけのお題をば。

「ポリエステルまたはソイロンのティーバッグで淹れたダージリンは、リーフで淹れたダージリンよりおいしい」

この命題が真であれば、けっこう大ごとではないでしょうか。「ティーバッグでもおいしい」といわれることはあっても、ティーバッグの方がおいしいなんて、今までの常識と正反対だからです。

実は、ジークレフではこれは実証済みです。テイスティングカップを二つ並べて片方はリーフ、片方は同量のリーフをティーバッグの素材のソイロンに入れたものとを比較してみた場合、ティーバッグの方がより香りが立つのです。味も、茶葉が数ヶ月若返ったような印象があります。

みなさんは、この現象を実感されたことはおありでしょうか?
私たちなりにこの現象の起こる原因にはいくつかの仮説を立てていますし、この結果をテトラのティーバッグ素材のトップメーカーの方にもレポートしているのですが、まだ原因を探り当てるには至っていません。

興味のある向きはぜひ一度、実験してみることをオススメします。

なお、蛇足ですが比較するときは、必ず同時に沸騰させたお湯で、まったく同じ条件で抽出してください。「あのとき飲んだダージリンと比べて、このダージリンはおいしい」というような時点の異なる比較は、茶葉自体の比較においては全く意味をなしません。おそらく上記の現象も、同時に行わないと観測できないと思います。

お茶を知る > お茶の豆知識 | - | -2004.05.12 Wednesday

今年のディンブラ、ヌワラエリヤの…

今年のディンブラ、ヌワラエリヤの入港日が今週末と確定しました。
おいしいおいしいと宣伝したヌワラエリヤのマハガストータクオリティ、そしてディンブラのロイノーン農園のものが店頭に並ぶのは、5月20日過ぎになりそうです。これは入荷し次第、メルマガでお伝えします。

一方、中国でも今年の新茶の船積みが進んでいます。こちらは6月に入ってからの入荷となりそうです。

お店からのご案内 > 紅茶 | - | -2004.05.11 Tuesday

今日は、DJナンバーというものの…

今日は、DJナンバーというものの考え方についてちょっと書いてみましょう。

DJナンバーは、ダージリンティーの出荷時につけられるロットナンバーです。基本的にはその年の最初に出荷されたものをDJ-1とし、以下DJ-2、DJ-3と続いていきます。

出荷ロットはおおよそ100kgから200kgにまとめられますので、規模の大きい農園になると、10月には、DJ-600とか、DJ-700に至るところもあります。一方小規模の農園は、オータムナルでもようやく200番台ということもあります。

ファーストフラッシュ期においては、DJナンバーは、その収穫時期を表すことが多いため、プロでなくても気になるものです。例えばDJ-1は、一部の例外を除き初荷ですから、有名農園のもので、なおかつある程度以上の水準に達していれば、かなりのプレミア価格で取引されることもあります。

DJ-1にはよしあしがあります。最大のメリットは、どこの農園も、自農園の中で最も良い畑の収穫を、DJ-1にまわそうとすること。従って、DJ-1の茶葉よりも早く摘まれていても、品質によってはあえてDJ-2以降の出荷ナンバーをつけることもあります。それゆえに農園との結びつきの強いバイヤーなどには、そこに信頼を寄せて前年からDJ-1の予約を入れているところなんかもあります。

一方で、DJ-1や2のような若いロットナンバーには、リスクもあります。農園によっては、前年のオータムナルの最後に伸びた芽が、DJ-1の収穫時にいっしょに摘み取られていることもあるのです。この場合は、香りの保持が悪く、すぐに劣化してしまいます。ですから、DJ-1がファーストフラッシュのピークであることもままあるのですが、一方で早すぎるということもありえるのです。

通常ファーストフラッシュクオリティは、DJ-1からDJ-20ぐらいの間に収穫されるものです。良い年や規模の大きな農園では、これがDJ-40ぐらいまで伸びることもあります。けれども、ここにもよい意味での例外があります。

農園は、オータムナルの収穫が終わったあとに、一部の畑の茶樹を剪定し、深く刈り込みます。これは樹勢を回復するためで、4から6年に一回ぐらいはこのオペレーションを行います。この剪定を行った畑は、その年の最初から収穫が可能なわけではありませんが、最初の収穫の時には、やはりファーストフラッシュクオリティの茶葉が収穫されるのです。(今年ではプッタボン農園のDJ-76などが、このような畑から摘まれた紅茶でした。)

よくDJナンバーを収穫した順番につけられたものと説明した文章を見かけることがあります。これはまあ間違いというほどでもありませんが、厳密に言えば正確ではありません。農園では、実は異なる日に収穫したものをブレンドして、出荷ロットをまとめるということをしばしば行っているからです。

例えば収穫日順にA、B、C、Dという4つの畑から摘まれた4種の紅茶があるとすると、1/3A+2/3BをDJ-30とし、2/3A+1/3CをDJ-31、DをDJ-32、1/3B+2/3CをDJ-33とする、ということがあるのです。ですから、DJナンバーがひとつ違うと、全く別の風味になってしまうこともしばしばあるのです。ちなみにこの場合、例えばDの畑から摘まれたDJ-32が良いとすると、DJ-31やDJ-33よりも、次にDの畑から収穫されたDJ-36あたりが風味が近いことも多いでしょう。

そんなわけでDJ-ナンバーは、風味を予想する助けにはなかなかなってくれません。現物を飲んで見なければ、何もわからないのです。

お茶を知る > お茶の豆知識 | - | -2004.05.11 Tuesday

先日店頭で、グームティのファース…

先日店頭で、グームティのファーストフラッシュを飲まれたあるお客様から、「セカンドフラッシュ」に似ているという感想をいただきました。

「?」と思って詳しく伺ってみたところ、昨年のフグリ農園のティピークローナルに似ているとのこと。なるほど、言われてみればフグリのティピークローナルは、今回のグームティ同様、シナモンのような香りが濃密に薫ります。

ここ数年、紅茶ファンの方の見識の深まり方、裾野の広がり方には目を見張るものがありますが、ふつうに農園の個性を楽しむまでに至っているのですね。我々ももっと勉強せねばなりませんね。

お店からのご案内 > 紅茶 | - | -2004.05.09 Sunday

今日から龍井茶(第一便)の販売を…

今日から龍井茶(第一便)の販売を始めました。

梅家塢明前龍井茶 25g 1500円(税込み1575円)
龍塢(龍井村)明前龍井茶 25g 970円(税込み1029円)
杭州の茶農家から直接買い付けてきた、極上の龍井茶です。
少量なため、吉祥寺店のみの販売とさせていただきます。
(通信販売は、電話、ファクスにて受付しますが、出来れば店頭で試飲していただくことをお勧めいたします。)


いちおう今年最初の中国茶の入荷なので、中国茶を扱う上でのジークレフの狙いみたいなものを書いてみたいと思います。

数年前のブームを経て、現在すっかり定着した感のある中国茶ですが、良質な中国茶は、まだまだ高嶺の花の感があります。台湾烏龍茶や武夷岩茶等一部の品ついては、とても良心的な価格で提供する店が国内に存在しますが、多くの産地については、そもそも良質なものは入手そのものが困難な状況です。

このような認識のもとに、ジークレフでは、従来の市場価格の半額で提供することを目安として中国茶の販売を行います。50%もの値下げをどのようにして行うかですが、これは、賃借料や人件費などの店舗コストを、中国茶の販売価格に上乗せする必要がないためさして難しいことではありません。(これは弊社の中国紅茶やプーアル茶の品質を見ればご納得いただけるはずです。)

開店以来八年、私たちは良質な紅茶を安価に提供することを考えて営業を続けてきました。現在の価格設定は、大量買付けや、効率的な店舗運営など、仕入れ、販売両面にわたる企業努力の末に結実したものと自負しております。このノウハウを、今後は中国茶の分野においても活用してゆく所存です。どうぞご期待ください。

お店からのご案内 > 中国茶・台湾茶 | - | -2004.05.09 Sunday

「龍井茶は難しい」と以前の茶飲み…

「龍井茶は難しい」と以前の茶飲み話で書きました。
いろいろと難しい要素はありましたが、一番難しいと感じていたのは、産地で楽しまれている龍井茶の醍醐味が、日本の水でどこまで再現できるかという懸念でした。

お詳しい方はご存知でしょうが、良質な明前の西湖龍井茶は、お米のような香ばしい香りと甘味があります。これは日本でも問題なく楽しめます。しかし、さらに上質な龍井茶には、この上にまた別の甘味があります。それはちょうど岩茶の大紅包(正確にはころもへんがつく[衣包]です)が持つ甘味に近い、コクのある、しかし繊細な甘味です。

この甘味は、濃密なものではなく、それゆえに水質によっては全く再現しないのではないかと懸念していました。そして、杭州で買付けてきた梅家塢の明前龍井茶のこの風味が、もし日本の水で再現できないのであれば、ジークレフでの販売はやめにしようと思っていました。ただ買付けてきたものを売るだけでは、専門店としては失格だと思うからです。

しかし幸いなことに、杭州での抽出より、茶葉を多少多めにすれば、吉祥寺の水道水でもこの甘味はきちんと再現できることがわかりました。少量ずつしか入荷していませんので、インターネットでの販売は予定していませんが、来週中には店頭に並ぶものと思います。どうぞご期待ください。

お店からのご案内 > 中国茶・台湾茶 | - | -2004.05.07 Friday

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