おいしい紅茶とは何か4 紅茶の淹れ方

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前項では、渋みが紅茶の味わいに与える影響についてみてきました。この現象を理解すると、もはや紅茶の淹れ方の本質は理解したも同然です。

結論:紅茶を美味しく淹れるコツは、渋みが感覚を遮断する限界の濃さで淹れる。

つまり、茶葉量を増やしたら渋いと感じる、その一歩手前の渋みの程度でお茶淹れを行えば、たいていの場合はうまく行きます。2煎目、3煎目も同じ考え方で一律に考えることができます。

こう言い切ると、もうどんな紅茶でも大丈夫!という気持ちになってしまうものですが、現実にはそんなに甘くはありません。現実の紅茶のほとんどは、何かしらの雑味(ネガティブな渋みや、苦味など)を持っているのです。

これらの雑味はノイズとなって、味覚を遮断してきます。特に多くの雑味は、短時間で茶葉量を増やす淹れ方をしたときに顕著にあらわれてきます。こうしたことから、どんな紅茶でもおいしく淹れられる淹れ方を経験的に紡ぎ出したものが、ゴールデンルールだと言えます。

しかし逆に考えれば、逆にある特定のつくりのよい紅茶であれば、ゴールデンルールに縛られずとも、より多彩な淹れ方で楽しめるはずです。抽出時間と茶葉量の組み合わせだけでなく、まったく別の淹れ方も可能になってくるのです。

ジークレフで時折推奨する、耐熱グラスによる抽出や、多煎抽出、淡茶は、そうした多彩な淹れ方のバリエーションです。このように、様々な雑味、そしてその原因を理解し、個々のお茶に沿った楽しみ方を提案するのも、テイスターのひとつの役割だと、ジークレフでは考えています。

お茶を知る > 淹れ方・楽しみ方 | - | trackbacks (0)2025.05.27 Tuesday

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