和紅茶の製茶不良について

ジークレフでは、和紅茶のラインナップはさほど多くはないのですが、和紅茶の品質向上には、一定の貢献をしてきたと自負しています。それは、ジークレフがジャパンティーフェスティバルの発起人となり、プレミアムティコンテストという和紅茶のコンテストをスタートし、それを通じて和紅茶の生産者への働きかけを続けてきたからです。
今、非常に多くの生産者が和紅茶を手掛け始めていますが、まだまだ品質は玉石混交と言わざるを得ません。それ自体は、どこの国でもあることなので当然なのですが、日本ならではの製茶不良というものもあるので、今回は日本特有の製茶不良について触れてみようと思います。
製茶不良という用語について
まずは製茶不良とはどういうものかについてご説明しましょう。製茶不良ということばはちょっと強い用語ですが、実は製茶不良が皆無の紅茶というのはほとんどありません。多くても1%もないと思います。茶葉1枚1枚がすべて完璧に製茶できているかといえば、たくさんの芽の中には多かれ少なかれ、理想的な変化をたどらないものは出てくるものだからです。
問題なのは、製茶不良の在り方とその程度の大きさです。インドやスリランカでも、想定された芽のあり方に見合ったものがどの程度かを示すグッドリーフレートは、50-55%程度が普通と言われている通り、何かしらの不良を含むのは当たり前のことなのですが、その程度が甚だしいと、製品の品質として大きな問題があるということになります。このあと触れる施肥過多、過発酵は、日本においては生産者によっては100%に近い不良率であることが多いため、ここで取り上げていますが、過発酵などは部分的に発生することは海外産の紅茶でもままあります。
以下ではそれを踏まえて、和紅茶において特に問題の大きい製茶不良2種について考えてみましょう。
施肥過多
和紅茶には様々なタイプがありますが、皆さんは野菜スープの香りのする和紅茶をお飲みになったことがありますでしょうか。茶液の色は黄色がかった橙色であることが多く、うまみの強いタイプの和紅茶です。たいていは緑茶用品種を使用しています。 和紅茶専門店では、このタイプも個性のひとつとして扱っているところが少なくないと思いますが、ジークレフでは、これは製茶不良に分類しています。なぜならば、体がそのお茶を飲むのを拒むからです。
野菜スープの香りのする和紅茶で、うまみが強いものは、実はカップの紅茶がなかなか減りません。頭では美味しくないと思わなかったとしても、体が受け入れたがらず、手が伸びないからです。 香り自体も鼻に抜ける香りだけで構成されるわけではなく、鼻にいつまでも残る、くぐもる香りを少なからず含んでいます。鼻に残る香りは、基本的には飲み手に抵抗を感じさせる香りで、したがって一見嫌な感じがしなかったとしても悪臭です。
こうしたうまみの強い、野菜スープの香りのする和紅茶がどうして生み出されるかと言えば、それは窒素肥料の施肥が多すぎる園地の芽で製茶したからです。和紅茶は海外産の紅茶に比べ、多かれ少なかれ肥料は多めに使っているものですが、特に煎茶用の施肥を行っている園地の芽を紅茶にすると、けっこうな確率でこうした紅茶が出来上がります。 これは上記のように、一見して雑味がなくまろやかなように感じても、実際には体がその成分を欲していないために、結局は飲まれなくなります。こうした紅茶に触れると、和紅茶が、あるいは紅茶そのものが苦手と感じる方も出てくることから、ジークレフではこうした和紅茶は扱いませんし、生産者にも施肥過多である旨をフィードバックするようにしています。
解決方法としては、窒素肥料を土壌から抜いていくしかありません。これには時間がかかり、3年は必要だと言われています。煎茶用の園地の芽を紅茶にしても、多くは良い結果は得られないのです。 ちなみに、煎茶用の園地で紅茶をつくる生産者は、紅茶自体への造詣があまり深くない場合が多いので、ほかの製茶不良を併発しているケースも少なくありません。特に過醗酵になることが多いようです。
過発酵
施肥過多と並び、しばしば和紅茶に見られる欠点として、過発酵が挙げられます。文字通り、醗酵しすぎて美味しくなくなることです。
過発酵は、紅茶の製茶不良の中では比較的重大な不良に分類されます。なぜならば、風味が損なわれるだけでなく、飲むと胸やけを起こしたり、気持ち悪くなったりすることも少なくないからです。それゆえに紅茶鑑定の世界では、過発酵の紅茶は非常に低く評価されます。
しかし、そんな重大な製茶不良がなぜ日本ではよく起こるのでしょうか。それは作り手が、紅茶の色は赤いと思い込んでいるからです。 緑茶用の品種は、そもそも茶液に色を与える成分であるカテキン類が相対的に少ないようです。紅茶の茶液の色は、カテキン類の色が主となって形成されているのですが、そのカテキン自体が少ないのですから、醗酵が進んで適切な発酵度に達したとしても、茶液を赤くするまでは行かないことの方が多いです。 それを味わいや香りではなく色を判断基準として、しかも無理に赤くしようと発酵を進めれば、出来上がった紅茶は過発酵になってしまいます。
過発酵の紅茶は臭みがあるので、あまり飲みたい味にはなりません。また酸味も生じ、茶液は悪い意味でのとろみが生じます。英語ではStewy(シチューのような)と表現されます。 このような過発酵の紅茶は、当然売り物にすべきではありませんが、作り手や買い手の知識不足ゆえに、そのまま商品として販売されていることもあります。
その他の和紅茶にありがちな製茶不良
施肥過多、過発酵のふたつほど問題が大きくはないですが、他にも和紅茶に多く見られる製茶不良というものはいくつかあります。
例えば木茎や繊維の混入。これは海外産の紅茶では等級区分までの工程で除去されるものですが、和紅茶ではそれを知らずに取り除かないものがあります。また、たまに意図的に混入させているケースも見受けられます。これは飲む前に、乾燥茶葉を見ればわかりますが、入っているとひどく味わいを害します。
ほかにも萎凋不足は、大変よく見かける不良のひとつで、渋いというより苦いと感じるような強い苦渋味を伴ったり、夏の原っぱのような青臭いにおいを伴うなど、いくつかのパターンがあります。萎凋不足は、飲めないほどではないケースも多いので、製品として流通する割合も割と多いと感じられます。
まとめ
和紅茶の世界は注目度が高いためにプレーヤーが増えてきているのですが、その一方でまだ十分に情報が行き渡っておらず、よい紅茶とはどういうものか、よい和紅茶とはどういうものかというビジョンも、しっかり形成できている状況ではありません。こうつくれば美味しくなる、これはやってはいけない、という共通認識が作り手の間にもないのが実情です。
こうした中ですので、感度の高い飲み手の皆さんにも、ある程度その香味の理由がわかるようになれば、この状況を変えていく一助になるのではないかと思っています。特にビジネスとして和紅茶を扱う場合は、こういう紅茶がそのまま世に出ないようにゲートキーパーとしての役割を果たすのも、買い付け担当者の重要な責務ではないかと私は思います。この文章が、和紅茶への理解を深めるきっかけのひとつになれば幸いです。
お茶を知る > 淹れ方・楽しみ方 | - | trackbacks (0)2025.06.16 Monday
おいしい紅茶とは何か
1.おいしい紅茶とは何か
去る5月24日に開催された東京大学五月祭での講演の中で、「おいしい紅茶とは何か」というテーマについてお話させていただきました。それをもとに何回かに分けて、ジークレフでは紅茶のおいしさ、紅茶の淹れ方をどのように考えているかについて、まとめてみたいと思います。
なお、これは科学的に厳密に構成した論考ではなく、あくまで経験から得られた概念をまとめたものです。
嗜好品(飲み物)のおいしさの要件
1.雑味がないこと。雑味があると、その雑味が大きな影響を与え、よい風味を楽しむことができない。
2.甘いこと。特に甘味に加え、酸味がともに備わっていると、たいがいおいしいと感じる。
3.2.に、苦味や渋み、辛みなどの、本来人間にとってネガティブな味わいが少しだけ混じると、味わいに奥行き、立体感が生じる。
4.3.にうまみが加わると、ネガティブな味わいが感じにくくなり、まろやかさが増す。雑味も感じづらくなる。(1.でもおいしいが、おいしさの〇が小さい。3.に至っておいしさの〇が大きくなる。)
5.香りがよいこと。4.に加えこれに嗅覚の要素が加わることによって、おいしさのバリエーションが飛躍的に高まる。
6.渋みや苦みなどのネガティブな味わいは、実はあとあとまで尾を引き、味わい、香りの余韻を強める効果があるので、同時に口中の香りを増幅する。
紅茶の場合は、酸味はあまりない上に、ネガティブな酸味もあるので、甘み、渋み、うまみと、香りが重要な要素と言えます。特に、上記の2.6で渋みが2回登場していますが、渋みという要素については、一般にはネガティブな味わいと認識されていることが多いので、次回以降でさらに掘り下げてみたいと思います。
結論から言うとこの渋みへの理解が、おいしい紅茶とは何か、そして紅茶をおいしく淹れることの重要な鍵になります。

2.おいしさの鍵 渋み
前項で、渋みがおいしさの鍵、そしておいしく紅茶を淹れる鍵でもあると述べました。
ここではまず、おいしさの鍵としての渋みについて、掘り下げてみましょう。
近年、付加価値の高い嗜好品として人気を博してきた飲み物には、赤ワイン、そしてウィスキーがあります。赤ワインはボトル1本で100万円を超えるものもありますし、グランヴァンと呼ばれるワインは当たり前のようにグラス単価で1万円以上します。
ウィスキーはこれに比べるとまだ手が届きますが、やはり蒸留酒の中では高価なお酒と言えるでしょう。世界的に評価の高まっているジャパニーズウィスキーも同様です。
さて、この2つのお酒の価値の源泉は何でしょうか。あくまで私見ですが、私はともにオーク樽での熟成を経た飲み物であることに要因があると思っています。オークのポリフェノールによる渋みが、価値を生み出しているのです。
なぜ渋みに価値があるか?それは前項で示したように、渋みが飲み物の味わいに奥行きを作り出し、加えて香りを増幅させる効果があるからです。心地よい渋みは口の中に比較的長時間残ります。そしてこの余韻が、同時に味わいや香りをも長時間感じさせてくれるのです。
余韻の豊かなワインを、人はスケールが大きいと言います。グランヴァンの細やかな渋みを感じたとき、飲み手はベルベットのような口当たりと表現します。このように、良質な渋みは、飲みものの味わいや香りを増幅させ、大きな満足度を与える働きがあるのです。
前項(おいしさの鍵 渋み)で掘り下げたように、渋み(良質な渋み)は、嗜好品たる飲み物に魅力を与える、おいしさの鍵であると私は考えています。しかし、渋みにはポジティブな渋みもあれば、ネガティブな渋みもあります。そして、ポジティブな渋みでも、量次第ではネガティブな渋みになってしまうこともあります。
ジークレフでは、多くの紅茶の抽出について、「熱湯で150�佞砲弔�、茶葉2gを使用し、5分間抽出する」ことをお薦めしています。大抵はFTGFOP1などの大きさの茶葉の場合ですが、この場合、ポジティブな渋みがほどよく抽出され、甘味も香りもよく感じられるからです。
ところで、もしこの条件で茶葉を2gではなく、3g、もしくはそれ以上投入したとしたら、甘味と香りはどうなるでしょうか?
実は、東大の講演会でこの問いを投げかけたところ、甘味、香りとも強く感じるという意見と、あまり感じられなくなるという意見に分かれました。
科学的に考えれば、甘味にせよ香りにせよ、分子が五感に訴えるのですから、茶葉量が増えれば、抽出される分子量が増え、甘味も香りも強く感じられるはずです。
しかし、実際に味わってみると、どういうわけか、甘味も、香りもさほど感じません。ただただ強い渋みだけが感じられ、飲みにくくなってしまいます。
科学的な予想と、実際に起こっている現象が異なっているのですから、これはひとつのパラドックスであると言えます。
さて、これは何が起こっているのでしょう。これもあくまで私見ですが、渋みが強いと感じた瞬間、人間の脳が感覚を遮断し、甘味や香りを感じないように作用しているのだと思います。以前脳科学者の小倉明彦阪大名誉教授にこの現象について質問したところ、「おそらく感覚遮断が起こっているのではないか」という答えを頂きました。
なぜ渋みを強く感じると、脳が好ましい味覚を遮断するのか?
これは全くの私見なのですが、きっと遠い昔、人間がまだ人間ですらなかったころ、ヒトは食べものを実際に食べてみて、食べられるか、食べられないかを判断しており、人間にとって毒となる恐れのある味覚を感じた時に、それをおいしいと感じて体に入れてしまわないように、この感覚遮断という現象が起こったのだろうと思っています。
ところで、これについてインターネットで調べてみると、苦味の強いコーヒーを飲んだあとに甘いケーキを食べると、甘味をさほど感じられなくなる現象について、「甘味と苦味の味蕾が競合しているので甘味が阻害される」という説明が出てきます。
しかしながら、この説明では嗅覚まで遮断されることは説明できないので、まだこの現象はきちんと科学的に説明されていないのかもしれません。私自身はまだこれをきちんと説明した文献に行き当たっていないので、もしご存じの方がいらしたらぜひご教授ください。
4.おいしい紅茶の淹れ方
前項(渋みのパラドックス)では、渋みが紅茶の味わいに与える影響についてみてきました。この現象を理解すると、もはや紅茶の淹れ方の本質は理解したも同然です。
結論:紅茶を美味しく淹れるコツは、渋みが感覚を遮断する限界の濃さで淹れる。
つまり、茶葉量を増やしたら渋いと感じる、その一歩手前の渋みの程度でお茶淹れを行えば、たいていの場合はうまく行きます。2煎目、3煎目も同じ考え方で一律に考えることができます。
こう言い切ると、もうどんな紅茶でも大丈夫!という気持ちになってしまうものですが、現実にはそんなに甘くはありません。現実の紅茶のほとんどは、何かしらの雑味(ネガティブな渋みや、苦味など)を持っているのです。
これらの雑味はノイズとなって、味覚を遮断してきます。特に多くの雑味は、短時間で茶葉量を増やす淹れ方をしたときに顕著にあらわれてきます。こうしたことから、どんな紅茶でもおいしく淹れられる淹れ方を経験的に紡ぎ出したものが、ゴールデンルールだと言えます。
しかし逆に考えれば、逆にある特定のつくりのよい紅茶であれば、ゴールデンルールに縛られずとも、より多彩な淹れ方で楽しめるはずです。抽出時間と茶葉量の組み合わせだけでなく、まったく別の淹れ方も可能になってくるのです。
ジークレフで時折推奨する、耐熱グラスによる抽出や、多煎抽出、淡茶は、そうした多彩な淹れ方のバリエーションです。このように、様々な雑味、そしてその原因を理解し、個々のお茶に沿った楽しみ方を提案するのも、テイスターのひとつの役割だと、ジークレフでは考えています。
お茶を知る > 淹れ方・楽しみ方 | - | trackbacks (0)2025.05.28 Wednesday
おいしい紅茶とは何か4 紅茶の淹れ方
前項では、渋みが紅茶の味わいに与える影響についてみてきました。この現象を理解すると、もはや紅茶の淹れ方の本質は理解したも同然です。
結論:紅茶を美味しく淹れるコツは、渋みが感覚を遮断する限界の濃さで淹れる。
つまり、茶葉量を増やしたら渋いと感じる、その一歩手前の渋みの程度でお茶淹れを行えば、たいていの場合はうまく行きます。2煎目、3煎目も同じ考え方で一律に考えることができます。
こう言い切ると、もうどんな紅茶でも大丈夫!という気持ちになってしまうものですが、現実にはそんなに甘くはありません。現実の紅茶のほとんどは、何かしらの雑味(ネガティブな渋みや、苦味など)を持っているのです。
これらの雑味はノイズとなって、味覚を遮断してきます。特に多くの雑味は、短時間で茶葉量を増やす淹れ方をしたときに顕著にあらわれてきます。こうしたことから、どんな紅茶でもおいしく淹れられる淹れ方を経験的に紡ぎ出したものが、ゴールデンルールだと言えます。
しかし逆に考えれば、逆にある特定のつくりのよい紅茶であれば、ゴールデンルールに縛られずとも、より多彩な淹れ方で楽しめるはずです。抽出時間と茶葉量の組み合わせだけでなく、まったく別の淹れ方も可能になってくるのです。
ジークレフで時折推奨する、耐熱グラスによる抽出や、多煎抽出、淡茶は、そうした多彩な淹れ方のバリエーションです。このように、様々な雑味、そしてその原因を理解し、個々のお茶に沿った楽しみ方を提案するのも、テイスターのひとつの役割だと、ジークレフでは考えています。
お茶を知る > 淹れ方・楽しみ方 | - | trackbacks (0)2025.05.27 Tuesday
おいしい紅茶とは何か3 渋みのパラドックス
前項(おいしい紅茶とは何か2)で掘り下げたように、渋み(良質な渋み)は、嗜好品たる飲み物に魅力を与える、おいしさの鍵であると私は考えています。しかし、渋みにはポジティブな渋みもあれば、ネガティブな渋みもあります。そして、ポジティブな渋みでも、量次第ではネガティブな渋みになってしまうこともあります。
ジークレフでは、多くの紅茶の抽出について、「熱湯で150�佞砲弔�、茶葉2gを使用し、5分間抽出する」ことをお薦めしています。大抵はFTGFOP1などの大きさの茶葉の場合ですが、この場合、ポジティブな渋みがほどよく抽出され、甘味も香りもよく感じられるからです。
ところで、もしこの条件で茶葉を2gではなく、3g、もしくはそれ以上投入したとしたら、甘味と香りはどうなるでしょうか?
実は、東大の講演会でこの問いを投げかけたところ、甘味、香りとも強く感じるという意見と、あまり感じられなくなるという意見に分かれました。
科学的に考えれば、甘味にせよ香りにせよ、分子が五感に訴えるのですから、茶葉量が増えれば、抽出される分子量が増え、甘味も香りも強く感じられるはずです。
しかし、実際に味わってみると、どういうわけか、甘味も、香りもさほど感じません。ただただ強い渋みだけが感じられ、飲みにくくなってしまいます。
科学的な予想と、実際に起こっている現象が異なっているのですから、これはひとつのパラドックスであると言えます。
さて、これは何が起こっているのでしょう。これもあくまで私見ですが、渋みが強いと感じた瞬間、人間の脳が感覚を遮断し、甘味や香りを感じないように作用しているのだと思います。以前脳科学者の小倉明彦阪大名誉教授にこの現象について質問したところ、「おそらく感覚遮断が起こっているのではないか」という答えを頂きました。
なぜ渋みを強く感じると、脳が好ましい味覚を遮断するのか?
これは全くの私見なのですが、きっと遠い昔、人間がまだ人間ですらなかったころ、ヒトは食べものを実際に食べてみて、食べられるか、食べられないかを判断しており、人間にとって毒となる恐れのある味覚を感じた時に、それをおいしいと感じて体に入れてしまわないように、この感覚遮断という現象が起こったのだろうと思っています。
ところで、これについてインターネットで調べてみると、苦味の強いコーヒーを飲んだあとに甘いケーキを食べると、甘味をさほど感じられなくなる現象について、「甘味と苦味の味蕾が競合しているので甘味が阻害される」という説明が出てきます。
しかしながら、この説明では嗅覚まで遮断されることは説明できないので、まだこの現象はきちんと科学的に説明されていないのかもしれません。私自身はまだこれをきちんと説明した文献に行き当たっていないので、もしご存じの方がいらしたらぜひご教授ください。
お茶を知る > 淹れ方・楽しみ方 | - | trackbacks (0)2025.05.27 Tuesday
おいしい紅茶とは何か 2 おいしさの鍵 渋み

前項で、渋みがおいしさの鍵、そしておいしく紅茶を淹れる鍵でもあると述べました。
ここではまず、おいしさの鍵としての渋みについて、掘り下げてみましょう。
近年、付加価値の高い嗜好品として人気を博してきた飲み物には、赤ワイン、そしてウィスキーがあります。赤ワインはボトル1本で100万円を超えるものもありますし、グランヴァンと呼ばれるワインは当たり前のようにグラス単価で1万円以上します。
ウィスキーはこれに比べるとまだ手が届きますが、やはり蒸留酒の中では高価なお酒と言えるでしょう。世界的に評価の高まっているジャパニーズウィスキーも同様です。
さて、この2つのお酒の価値の源泉は何でしょうか。あくまで私見ですが、私はともにオーク樽での熟成を経た飲み物であることに要因があると思っています。オークのポリフェノールによる渋みが、価値を生み出しているのです。
なぜ渋みに価値があるか?それは前項で示したように、渋みが飲み物の味わいに奥行きを作り出し、加えて香りを増幅させる効果があるからです。心地よい渋みは口の中に比較的長時間残ります。そしてこの余韻が、同時に味わいや香りをも長時間感じさせてくれるのです。
余韻の豊かなワインを、人はスケールが大きいと言います。グランヴァンの細やかな渋みを感じたとき、飲み手はベルベットのような口当たりと表現します。このように、良質な渋みは、飲みものの味わいや香りを増幅させ、大きな満足度を与える働きがあるのです。
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おいしい紅茶とは何か1 嗜好品(飲み物)のおいしさの要件
去る5月24日に開催された東京大学五月祭での講演の中で、「おいしい紅茶とは何か」というテーマについてお話させていただきました。それをもとに何回かに分けて、ジークレフでは紅茶のおいしさ、紅茶の淹れ方をどのように考えているかについて、まとめてみたいと思います。
なお、これは科学的に厳密に構成した論考ではなく、あくまで経験から得られた概念をまとめたものです。
嗜好品たる飲み物のおいしさの条件。
1.雑味がないこと。雑味があると、その雑味が大きな影響を与え、よい風味を楽しむことができない。
2.甘いこと。特に甘味に加え、酸味がともに備わっていると、たいがいおいしいと感じる。
3.2.に、苦味や渋み、辛みなどの、本来人間にとってネガティブな味わいが少しだけ混じると、味わいに奥行き、立体感が生じる。
4.3.にうまみが加わると、ネガティブな味わいが感じにくくなり、まろやかさが増す。雑味も感じづらくなる。(1.でもおいしいが、おいしさの〇が小さい。3.に至っておいしさの〇が大きくなる。)
5.香りがよいこと。4.に加えこれに嗅覚の要素が加わることによって、おいしさのバリエーションが飛躍的に高まる。
6.渋みや苦みなどのネガティブな味わいは、実はあとあとまで尾を引き、味わい、香りの余韻を強める効果があるので、同時に口中の香りを増幅する。
紅茶の場合は、酸味はあまりない上に、ネガティブな酸味もあるので、甘み、渋み、うまみと、香りが重要な要素と言えます。特に、上記の2.6で渋みが2回登場していますが、渋みという要素については、一般にはネガティブな味わいと認識されていることが多いので、次回以降でさらに掘り下げてみたいと思います。
結論から言うとこの渋みへの理解が、おいしい紅茶とは何か、そして紅茶をおいしく淹れることの重要な鍵になります。
お茶を知る > 淹れ方・楽しみ方 | - | trackbacks (0)2025.05.27 Tuesday
白桃とジャスミンのパフェのソルベとゼリーのレシピ
ジークレフでは6/29よりジャスミン茶キャンペーンを開催します。そこで、ティーマーケットジークレフの人気メニュー、白桃とジャスミンのパフェから、ジャスミンのゼリーとソルベのレシピをご紹介させていただきます。

1.白桃とジャスミンのパフェのソルベ
材料:
紅茶:No.71茉莉黄山芽(ジャスミン茶) 6.0g
熱湯:150cc×2(85℃)
グラニュー糖:70g
完成重量:330g
レシピ:
1.No.71茉莉黄山芽を使用して、85℃の湯150�佞砲弔�、茶葉6.0gで1煎目40秒、2煎目20秒で抽出し、抽出液をブレンドする。
2. 1.の茶液にグラニュー糖を溶かし、粗熱をとってから冷凍する。
3. 翌日、フードプロセッサーにかけ、再び冷凍する。
2.白桃とジャスミンのパフェのゼリー
材料:
紅茶:No.71茉莉黄山芽(ジャスミン茶) 6.0g
熱湯:150cc×2(85℃)
グラニュー糖:60g
アガー:15
完成重量:360g
レシピ:
1.グラニュー糖とアガーを合わせておく。
2.No.71茉莉黄山芽を使用して、85℃の湯150�佞砲弔�、茶葉6.0gで1煎目30秒、2煎目30秒で抽出し、抽出液をブレンドする。
3.2.に1.を入れ、溶け残りがないようによく混ぜ、タッパーに入れる。
3.粗熱がとれたら、冷蔵庫で冷やして固める。
さて、これで両方とも出来上がりです。ぜひ両方作って併せてみてください。
あとはお好みで下のパフェのように他の食材と組み合わせるともっと楽しみが広がると思います。ちょっとしたミニデザートにもよいですし、トライフルにもなります。ぜひお試しください。
このゼリーとソルベの組み合わせ、他にもダージリン1stフラッシュや、2ndフラッシュ、ニルギリ、アールグレイなど、爽やか系の紅茶で春夏にお楽しみ頂くとよいと思います。
どちらもジークレフが考案した二重抽出を使っているのもポイント。二重抽出は、より細やか狙った風味を引き出すことが出来、普通の淹れ方よりも甘味や香りを引き出すことができるので、お菓子作りにも非常に有効なのです。
ふだんのティータイムにも便利ですし、パティシエさんやバリスタさんにもオススメです。ぜひ挑戦してみてください。
参考:ジークレフの二重抽出
https://www.gclef.co.jp/magazine/197

1.白桃とジャスミンのパフェのソルベ
材料:
紅茶:No.71茉莉黄山芽(ジャスミン茶) 6.0g
熱湯:150cc×2(85℃)
グラニュー糖:70g
完成重量:330g
レシピ:
1.No.71茉莉黄山芽を使用して、85℃の湯150�佞砲弔�、茶葉6.0gで1煎目40秒、2煎目20秒で抽出し、抽出液をブレンドする。
2. 1.の茶液にグラニュー糖を溶かし、粗熱をとってから冷凍する。
3. 翌日、フードプロセッサーにかけ、再び冷凍する。
2.白桃とジャスミンのパフェのゼリー
材料:
紅茶:No.71茉莉黄山芽(ジャスミン茶) 6.0g
熱湯:150cc×2(85℃)
グラニュー糖:60g
アガー:15
完成重量:360g
レシピ:
1.グラニュー糖とアガーを合わせておく。
2.No.71茉莉黄山芽を使用して、85℃の湯150�佞砲弔�、茶葉6.0gで1煎目30秒、2煎目30秒で抽出し、抽出液をブレンドする。
3.2.に1.を入れ、溶け残りがないようによく混ぜ、タッパーに入れる。
3.粗熱がとれたら、冷蔵庫で冷やして固める。
さて、これで両方とも出来上がりです。ぜひ両方作って併せてみてください。
あとはお好みで下のパフェのように他の食材と組み合わせるともっと楽しみが広がると思います。ちょっとしたミニデザートにもよいですし、トライフルにもなります。ぜひお試しください。
このゼリーとソルベの組み合わせ、他にもダージリン1stフラッシュや、2ndフラッシュ、ニルギリ、アールグレイなど、爽やか系の紅茶で春夏にお楽しみ頂くとよいと思います。
どちらもジークレフが考案した二重抽出を使っているのもポイント。二重抽出は、より細やか狙った風味を引き出すことが出来、普通の淹れ方よりも甘味や香りを引き出すことができるので、お菓子作りにも非常に有効なのです。
ふだんのティータイムにも便利ですし、パティシエさんやバリスタさんにもオススメです。ぜひ挑戦してみてください。
参考:ジークレフの二重抽出
https://www.gclef.co.jp/magazine/197
お茶を知る > 淹れ方・楽しみ方 | - | trackbacks (0)2024.06.28 Friday