ダージリンのストライキ続報

さきほど、日本紅茶協会から、ダージリンの最新情報が届きましたので、お知らせさせて頂きます。これによると、日本紅茶協会に宛て、ダージリンの茶園オーナー筋から下記の情報提供があったとのことです。

ここから
9月12日付の西ベンガル州政府とゴルカ党との会合後、州政府の大臣から以下の提案があった。

・茶園はすぐに再開されるべき。
・茶園オーナーは、労働者に対して、年間ボーナス(2016.4-2017.3までの労働に対して)未払い賃金、今後(前払い)の賃金を支払わなくてはならない。
・最低賃金は、2018年1月以降、現状の賃金の40%アップに改定しなくてはならない。

しかしながら、ゴルカ党の強硬派は、Golkalandの設立を目指しているため、上記の提案に同意することはないだろうと思われる。更に茶園は、深刻な損失を抱えていて、インド中央政府主導で、州政府が追認する「茶園の救済に関する包括案」がなければ、再開はできず、膠着状態は続くと考えられる。また一方で、中央政府に現時点で、本気でこの問題に向けた取り組みがあるかは、疑問。

茶園サイドとしては、今後もどんな事態が起きうるか注視していかなくてはならない。

ここまで

もはやこのストライキは3か月を超え、非常に深刻な状態が継続しています。ともあれジークレフとしては、まずは未発売のセカンドフラッシュを世に送り出すことに集中したいと思いますが、今後も国内外の関係者とともに、情勢を注視していきたいと思います。

産地の息吹 > ダージリン | - | trackbacks (0)2017.09.14 Thursday

7D セリンボン農園 DJ-49

セリンボン農園からは、第二便でもマスカテルタイプの紅茶をご紹介しましたが、更にもう1本、極上の紅茶を買い付けることができました。DJ-49。非常にはっきりとマスカテルキャラクターを湛える、王者の風格のダージリンです。

乾燥茶葉:
よく撚れており、ウンカの影響も顕著です。欠点はほぼ皆無です。但し、乾燥茶葉自体からはマスカテルキャラクターは感じられません。不思議なものですが、ダージリンとはそういうものです。

2017_7D_乾燥茶葉

茶液:
美しい光沢で、密度が濃く、色も澄んでいます。
素晴らしい香り。そして味わい。非の打ち所がありません。

2017_7D_茶液

茶殻:
芽は小さく、ウンカの影響がはっきりとみられる茶葉です。乾燥茶葉ではさほど小さい印象はないのに、茶殻ではこの大きさの芽になるということは、極力芽をちぎらないように、しっかりと揉みこんだということを意味しています。そして、芽がこんなに小さいのに茶殻が硬いのは、ウンカの影響がとても強いからです。

香りとしては、はっきりとしたマスカテルを感じます。現状ではわずかな火の香りが混じりますが、これが抜けたときにどうなるのか、今から楽しみです。

2017_7D_茶殻

産地の息吹 > ダージリン | - | trackbacks (0)2017.09.07 Thursday

7C ダージリン2ndフラッシュ シーヨック農園

シーヨック農園は、第二便でご紹介したセリンボン農園と向かい合わせに立地する、1868年に創立された農園で、ほぼ150年の歴史を誇ります。かつて馬車が通った農園内の道の両側には、インドでは珍しい杉の高木が生い茂ります。ダージリンでも小ぶりな農園ですが、同時に最も美しい農園の一つでもあります。

今季のセカンドフラッシュも、美味なる紅茶を産したシーヨック農園ですが、ジークレフでは、幸運にもピュア・マスカテルが顕著な美しい一品を入荷することができました。

乾燥茶葉
ウンカ芽(赤銅色)の部分が非常に多いのがわかります。ティップはさほど目立ちませんが、全体に細撚れです。
7C_乾燥茶葉

茶液
明るく輝きのある橙色で理想的な水色といえます。茶液にはとろみがあり、香りにははっきりとしたマスカテルが感じられます。舌の上を転がる爽快な渋みも顕著です。
7C_茶液

茶殻
涼やかなマスカットフレーバーが上に上り立ち、ウンカの影響が色濃いことがわかります。芽も小さく摘んでおり、大きな葉で3儖焚爾緋埖瑤農催戮旅發っ稘Δ澆鮃圓辰討い泙后
7C_茶殻
ダージリンに必要な要素をすべて具え、不要な要素はすべてそぎ落とした、完璧な紅茶です。秋口に向け、さらなる熟成が楽しみです。

産地の息吹 > ダージリン | - | trackbacks (0)2017.08.24 Thursday

ダージリンセカンドフラッシュは本当に値上げされるのか

シンゲル茶摘み
昨日(8/10)のジークレフが取材を受けた報道を含め、テレビ局各社のダージリンについての報道はあらかた「セカンドフラッシュ生産ストップ。ダージリンティ値上がり」という話ですね。しかし、ジークレフも含め、各社のセカンドフラッシュは実際には値上がりしていません。それは各社の入荷状況をご覧になれば、すぐにわかることかと思います。

セカンドフラッシュの生産が途中でストップしたとは言っても、その段階ですでに質の高いダージリンはそれなりに生産されていました。ピュアマスカテルのダージリンに関しては、生産が止まるまでの段階のものだけでも昨年よりもずっと多いですし、質も高かったと思います。

そして実際に、シングルオリジンティに力を入れている各社は、例年通りの価格で例年通りのボリュームでダージリンの2ndフラッシュを入荷しています。クオリティも昨年を上回っていると思います。そうした各社の努力には、もっと目を向けられてよいのかなと感じます。

実際のところ、今年のセカンドフラッシュは美味しいです。そしてその中でも、私どもが見る限り、かなり美味しいと思ったダージリンは、相当の割合で日本に来ています。そこについては、紅茶ファンの皆様には信頼いただいてよいのではないかと思います。

ではなぜ報道の上で、「セカンドフラッシュが品薄となり、値上がりしている」となるのか?これは、セカンドフラッシュとは何かという概念の問題に起因します。海外のニュースソースが報道する際、「セカンドフラッシュ」とはこの時期に生産された紅茶全体を指します。そして「値上がり」とは、あくまで現地での取引価格のことです。

しかし、日本では一般に「セカンドフラッシュ」として流通しているのは、上記のようなピーククオリティの紅茶を指すことの方が多いかと思います。これらはセカンドフラッシュの中でも、シングルオリジンティとして流通するに相応しい最高級のものです。これらはそもそも、全体的な相場形成がなされるオークションに出品される以前に、水面下で作り手との相対取引(プライベートセール)で購入するものです。

今回のゼネストは、オークションにセカンドフラッシュが投入される以前に発生しましたが、この段階で上記のように生産そのものはある程度進んでいたため、プライベートセール(相対取引)は行われていました。ですから、ピーククオリティのダージリンは、確かにスト発生後は一部で価格は上昇を始めましたが、その上昇分はあまり小売価格に上乗せされることがなかったように思います。

そして、その後のオークションに出品された紅茶は、需給のひっ迫のため価格は上昇しましたが、生産が完全にストップしているため、相場の上昇というよりは、商品の枯渇という形になっています。一般に流通するピュアダージリンのリーフティやブレンド用、ティーバッグ、ペットボトル用の紅茶は、「値段が上がった」というよりも、「なくなった」という方が妥当でしょう。

こういった事情ですので、日本の紅茶ファンが求めている「セカンドフラッシュ」が値上がりするということは、少なくとも今年はないと思います。美味しいダージリンは、今年も変わらずここにあるのです。すぐになくなるような状況でもありません。そのことは、ぜひ皆様ご自身の舌と鼻で、お確かめいただければ幸いです。

産地の息吹 > ダージリン | - | trackbacks (0)2017.08.11 Friday

ダージリンという産地を、支援するとはどういうことか。

ダージリン画像
ダージリンですべての農園の操業がストップしてもうすぐ2か月になろうとしています。この間、農園は雑草が伸び放題で、茶樹も適切な時期に摘まれないまま成長し、これまで丁寧に仕立てられた一株一株が、深く剪定しないと摘めない状態になっています。6月までの統計で、約90%の減産と報じられていますが、7月も8月も収穫はゼロのはずですので、そのような数字はもう無意味でしょう。

現地の活動家からは、「ダージリンで人々の権利が奪われているというのに、世界の紅茶好きは自分の紅茶の心配をするのか」という趣旨の論調が聞こえてくるようになりました。しかし、これには私は疑問を呈さざるを得ません。今回の問題は、西ベンガル州の義務教育のカリキュラムでベンガル語を必修としたことに端を発したもので、別に農園が労働者を搾取しているという性質のものではありません。ダージリンの農園の60%は、有機栽培の認証を取得していますが、これにより茶園労働者の疾病率は非有機の農園よりもグッと下がったはずです。そしてこれらの農園の多くはフェアトレード認証を取得しており、適切な富の配分が目指されているはずです。そもそも、観光と並び主要産業である茶業が壊滅しては、さらなる貧困が待ち受けているだけです。この点において、現地の一部の活動家が行う、上記のようなキャンペーンは本質を見誤っています。

さて、ダージリンを愛する者、紅茶を愛する者としては、どうすればよいのか。それははっきりしています。それは、ダージリンティを楽しみ、その風味に親しむことによって、その農業を支援することです。ダージリンティが特別なのはその風味だけではありません。上記のようにダージリンの茶業は、公正で自然に則した農業であるという点において、世界の茶業の模範となるべきものです。

ジークレフとしても、そうした生産者の理念に共鳴するからこそ、その作り手の作品たるダージリンティを皆様にお届けしています。ジークレフの店舗にお越しのお客様ならよくご存じのとおり、当社の紹介するダージリンはほとんど有機栽培認証を取得しており、またすべての農園はフェアトレード認証、そしてレインフォレストアライアンスも取得しています。

もしかすると、今後国内外においてダージリンが品薄になることがあるかもしれません。しかし、またいずれダージリンの平和が取り戻され、その紅茶が生産され始めたとき、ダージリンティを愛し、飲み続けることが、ダージリンの人々を支援することなのです。

そうはいっても、ことジークレフにおいては、少なくとも来春まではダージリンの在庫が枯渇することはありません。今後も、可能な限り継続してダージリンティの供給を続けたいと思っております。まずは今年無事に日本に届いた、極上のダージリンティをお楽しみいただきながら、かの地の平和を祈りたいと思います。

産地の息吹 > ダージリン | - | trackbacks (0)2017.08.07 Monday

7B セリンボン農園 DJ-42

麗しいピュアマスカテルの香気を放つセリンボン農園のアーリーセカンドフラッシュ、DJ-42です。ダージリンファンなら、見ただけで極上と分かる一品。ただただ美味です。

乾燥茶葉
赤銅色、褐色、白。この色彩こそが、極上の2ndフラッシュの証です。
7B 乾燥茶葉

茶液
やわらかいタッチのピュアマスカテルの香気。味わいも舌の上を転がるような渋みが感じられ、一点の曇りもありません。
7BA 茶液

茶殻
そのすべてがウンカ芽です。しかもこの茶葉の小ささ。ちぎって小さくなっているのではなく、小さい芽を摘んでいるのも、ここから見て取れます。
7BA 茶殻

園地1
向こう側の斜面に見えるのがセリンボン農園の全景です。隣接するシーヨック、チャモン、サングマ農園など、この地域全体がほぼ有機栽培です。
7B 全景

園地2
この茶畑。ほぼ森です。この下草の豊富さは、ピュアマスカテルの香気の醸成に欠かせません。
7B 園地2

産地の息吹 > ダージリン | - | trackbacks (0)2017.08.03 Thursday

ダージリン2ndフラッシュ サングマ農園 DJ-137 Ch Muscatel

乾燥茶葉:ダージリン2ndフラッシュ サングマ農園 DJ-137 Ch Muscatel
7A_乾燥茶葉

これは第一便の紅茶となるサングマ農園のDJ-137 Ch Muscatelです。今年最も素晴らしいセカンドフラッシュを、最も多く産したと思われるサングマ農園の紅茶の中でも、極上の一品です。

昨日のブログでも述べさせていただいたとおり、ジークレフでは今年も問題なく極上のマスカテルお茶を買い付けることができました。これには理由があります。

今年のセカンドフラッシュは当初とても出来がよいのではないかと期待されていました。産地のテイスターからもそのような状況が入っていましたし、最初に届いたサンプルの中に、予想を上回るクオリティの紅茶が既にあったからです。

しかし、6月上旬に届いたサンプルをテイスティングしていて、事態はそんなに思わしくないことが見て取れました。ある程度のスキルを持ったテイスターであれば、そのお茶からその日の天候や気温、湿度、茶葉の生育状況などが、製茶をする上でよいコンディションであるかどうかを読み取ることができます。そして同じ農園のサンプルを時系列に沿って並べれば、今後の見通しについてもある程度は察することができます。もちろん、政治的な問題をそこに読み取ることはできませんが、生産にかかる事柄であればおぼろげながら見通せるのです。

さて、6月5日に当社に届いたサンプルには、ダージリンの各地の重要農園のものがいくつも含まれていました。それを見たところ、エリアによらずその半数の農園では、今後品質が向上する見込みがほぼないことが読み取れました。それらの農園は、前半に品質のピークが来るはずの農園でしたが、品質は十分とはいえず、しかも時系列に沿って向上していなかったのです。

ジークレフはダージリンの農園ならどこでも買い付けるわけではなく、自然と共生する有機農業を行い、フェアトレードの理念に基づき末端の労働者まできちんと配慮をする農園など、作り手の理念に共感し支持できることを買い付けの条件としています。そうなると、それらの条件を満たした上で、今季自信をもって紹介できる作品をつくる作り手は、この段階でほんの数農園に限られることが見通せたのです。

そこで、直ちにそれらの農園の紅茶の中で、最もよいと思われる紅茶の買い付けを実施し、シーズン前半のうちにほぼ重要なラインナップを確定させました。冒頭のサングマ農園のDJ-137は、この日に買い付けた作品のひとつです。

政治的な問題の発生する前にこうしたアクションを取ることができたのは、極めて僥倖であったというしかありません。このサングマ農園の紅茶をはじめ、最初の荷物は無事弊社に届き、いよいよ明日から発売開始となります。

幸運にも確保することができた貴重なセカンドフラッシュ、ぜひお楽しみいただければ幸いです。

茶液:ダージリン2ndフラッシュ サングマ農園 DJ-137 Ch Muscatel
7A_茶液

茶殻:ダージリン2ndフラッシュ サングマ農園 DJ-137 Ch Muscatel
7A_茶殻

産地の息吹 > ダージリン | - | trackbacks (0)2017.07.20 Thursday