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ダージリンという産地を、支援するとはどういうことか。ダージリンですべての農園の操業がストップしてもうすぐ2か月になろうとしています。この間、農園は雑草が伸び放題で、茶樹も適切な時期に摘まれないまま成長し、これまで丁寧に仕立てられた一株一株が、深く剪定しないと摘めない状態になっています。6月までの統計で、約90%の減産と報じられていますが、7月も8月も収穫はゼロのはずですので、そのような数字はもう無意味でしょう。 現地の活動家からは、「ダージリンで人々の権利が奪われているというのに、世界の紅茶好きは自分の紅茶の心配をするのか」という趣旨の論調が聞こえてくるようになりました。しかし、これには私は疑問を呈さざるを得ません。今回の問題は、西ベンガル州の義務教育のカリキュラムでベンガル語を必修としたことに端を発したもので、別に農園が労働者を搾取しているという性質のものではありません。ダージリンの農園の60%は、有機栽培の認証を取得していますが、これにより茶園労働者の疾病率は非有機の農園よりもグッと下がったはずです。そしてこれらの農園の多くはフェアトレード認証を取得しており、適切な富の配分が目指されているはずです。そもそも、観光と並び主要産業である茶業が壊滅しては、さらなる貧困が待ち受けているだけです。この点において、現地の一部の活動家が行う、上記のようなキャンペーンは本質を見誤っています。 さて、ダージリンを愛する者、紅茶を愛する者としては、どうすればよいのか。それははっきりしています。それは、ダージリンティを楽しみ、その風味に親しむことによって、その農業を支援することです。ダージリンティが特別なのはその風味だけではありません。上記のようにダージリンの茶業は、公正で自然に則した農業であるという点において、世界の茶業の模範となるべきものです。 ジークレフとしても、そうした生産者の理念に共鳴するからこそ、その作り手の作品たるダージリンティを皆様にお届けしています。ジークレフの店舗にお越しのお客様ならよくご存じのとおり、当社の紹介するダージリンはほとんど有機栽培認証を取得しており、またすべての農園はフェアトレード認証、そしてレインフォレストアライアンスも取得しています。 もしかすると、今後国内外においてダージリンが品薄になることがあるかもしれません。しかし、またいずれダージリンの平和が取り戻され、その紅茶が生産され始めたとき、ダージリンティを愛し、飲み続けることが、ダージリンの人々を支援することなのです。 そうはいっても、ことジークレフにおいては、少なくとも来春まではダージリンの在庫が枯渇することはありません。今後も、可能な限り継続してダージリンティの供給を続けたいと思っております。まずは今年無事に日本に届いた、極上のダージリンティをお楽しみいただきながら、かの地の平和を祈りたいと思います。 産地の息吹 > ダージリン | - | trackbacks (0)2017.08.07 Monday TRACKBACK URI
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