このごろのファーストフラッシュ

ここのところ、ダージリンファーストフラッシュ シンブリ農園 DJ-29 Classic Clonalが、だいぶ丸くはいるようになってきました。入荷当初は、最初のひと口は、コツンと軽い渋みを感じ、それが1分ほど待つことによってうまみの中に溶け込んでいくという印象でしたが、今はひと口目からそんなに渋みを感じなくなってきているように思います。

その代わり、アッサムに近いような、喉の奥にたまるコクが心持ち強くなってきたかもしれません。フルーティーな香気とともにのどに温かみのある感覚が残ります。

収穫からちょうど2ヶ月を経て、よりカドが取れたこのシンブリ農園のファーストフラッシュ。本来の意味での飲み頃を迎えたといってもよいかも知れませんね。

産地の息吹 > ダージリン | - | trackbacks (0)2008.05.31 Saturday

これであなたもティーテイスター

カップに入ったお茶とテイスティングカップに乗った茶殻。

そこには、作り手の思いや自然からのメッセージがたくさん込められています。
お茶を味わって、作り手の思いや狙いを感じ取れるようになれば、あなたはもう
ティーテイスター。今日は、テイスティングの見所についてお教えしましょう。

1.茶殻:
1-1.香り
まずはテイスティングカップを手にとって見ましょう。
茶殻に鼻がくっつくくらいに近づけ、ワンちゃんになったつもりでクンクンかいでみてください。よく香りがわからなかったら、茶殻をちょっとかきわけてみましょう。それだけでも香りが開いてくるはずです。茶殻の香りは、淹れたてのときと、時間が経ったときで変わってきます。その変化もお見逃しなく。

茶殻の香りの中には、土壌や天候、環境由来のものもありますし、工程由来のものもあります。有名なのは、ウンカの虫害によって生じる甘やかな香気。また霜の降りるような厳しい寒さを乗り越えたお茶だけが持つ香りや、春先の最初の収穫のお茶だけが持つ香気、成熟した茶葉ならではの香気もあります。また、工程由来のものとしては、火入れによって香ばしい香りをかもし出すように工夫したりもしますし、発酵の浅いお茶ならではの香りもあります。

1-2.ハリとツヤ
茶殻のハリとツヤを見ると、茶葉の生命力や香り、味わいの充実度を目で測ることができます。生命力のある、良い時期に摘まれたお茶は、元の木に生えていたときの形に戻ろうとします。だから、立体感があり、ハリのある茶殻になります。

ツヤは香り成分ののりのよさのバロメーターです。光沢が豊かであるお茶は、まろやかであることを約束してくれるとともに、香りの持続力もあらわしてくれます。

2.茶液:
2-1.質感
カップの茶液を見たら、まずわずかに揺らしてみてください。液面の揺れがゆっくりなお茶ほどまろやかなはずです。そしてそうしたお茶は余韻が豊かであることが多いです。茶液もまた、光沢が豊かなほど香り高くまろやかであるはずです。

2-2.香り
次に、カップから上ってくる香りを感じてみましょう。ふんわりと上に上がってくる香り。そして、カップに鼻を近づけたときに液面に層になってたまっている香り。この二つの香りでは表情が異なるはずです。

2-3.味わい
一口茶液を含んだら、おそばをすする要領で舌の上でズズズッと転がしてみましょう。空気が含まれると共に、さまざまな味わいと香りが口の中に広がるはずです。味わいについては、どんな味わいを舌のどの部分で感じているかに注意しながら感じてみましょう。渋みにも、何種類もの渋みがあり、それぞれに感じる部位も感じ方も違うはずです。甘味、酸味も同様です。またうまみの強さは、唾液の分泌を促すようなジューシーな感覚として感じられることでしょう。

実は、それぞれの味わいには、どのような作りをほどこしたかというメッセージが込められています。土壌について、そしてもみこみ方、発酵、火入れの仕方など。作り手がどのようなお茶を作りたいかと思い、それがどの程度実現できているかが、そのお茶から伝わってくるのです。本当によいお茶からは、その作り手の人柄や思い入れまでが、茶葉から感じ取れることでしょう。

もちろん、天候や環境由来の味わいもあります。香り豊かな紅茶から、豊かな自然の恵みが想起されるのは偶然ではありません。

2-4.余韻
飲み終わったら、口の中に残る香りや味わいについても注意を払ってみてください。また、カップから揮発する香りも、空のカップの香りを聞くことで感じてみてください。余韻の豊かさは、本当によいお茶ならではのもの。見過ごしてしまうのはもったいない!!この余韻の楽しみは、最後まで残さず飲みきった飲み手だけに与えられた特権です。

3.記録:
今飲んだお茶の香り、味わいなどについて記録してみましょう。
ことばにすることで、味わいや香りの繊細な部分までどんどん感じ取れるようになります。

自分のことばでお茶を語る楽しみは、あなたとお茶との関わり方を新たな次元へと高めてくれますよ。

お茶を知る > 淹れ方・楽しみ方 | - | trackbacks (0)2008.05.24 Saturday

春摘みのダージリンについて

結局、この春のダージリンは、2種類とも成熟した茶葉による熟成感のある
ファーストフラッシュのご紹介となりました。

早期収穫、早期入荷に価値を見出されるのは、ダージリンだけに限ったことではありません。龍井茶もそうですし、日本の緑茶もあらかたそのような傾向にあります。

しかし、成熟したファーストフラッシュには、早期のものにはない、かけがえのない個性があります。今回2種類とも、そういう趣旨に沿ったものを入荷できたことは、運に恵まれたということも大きかったのですが、このセレクションに私自身はとても満足しています。

ファーストフラッシュに興味を抱きながら、いまひとつそのよさをつかみきれないという方にはぜひ一度お試しいただきたいと思います。

産地の息吹 > ダージリン | - | trackbacks (0)2008.05.17 Saturday

早くもセカンドフラッシュ

今年初めてのダージリンセカンドフラッシュのサンプルが届きました。
早生の農園というのは、だいたい毎年決まっていて、グームティ農園やジュンパナ農園がスタートを切り、次いでリシーハット農園などが続きます。

昨日届いたのはリシーハット農園の"Muscatel"と"China Classic"。
確かにだいぶセカンドフラッシュの雰囲気があるな、というロットでした。この感じだと、グームティやジュンパナももうスタートしつつあることでしょう。

このセカンドフラッシュ2品。ティーサロンでお飲みいただけるようにしました。
やっぱり初物は早く味わいたいですからね。

ただし、量は少ないので、売り切れの際はご容赦ください。

産地の息吹 > ダージリン | - | trackbacks (0)2008.05.16 Friday

ダージリンファーストフラッシュ第二便

吉祥寺本店では、ただいまよりバラスン農園のダージリンファーストフラッシュの販売を開始します。

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この紅茶、実に味わい深く仕上がっています。モルティで深みのある、円熟の味わい。フレッシュなだけではない、ファーストフラッシュの世界の奥行きを味わっていただけることと思います。

オンラインストアでは明日の夜からの発売です。今しばらくお待ちください。

産地の息吹 > ダージリン | - | trackbacks (0)2008.05.15 Thursday

水出しアイスティについて

そろそろアイスティが飲みたくなる季節になってきました。アイスティのつくり方にもいくつかありますが、ジークレフのおすすめは水出しアイスティ。これは抽出方法としてかなり優秀です。

水出しアイスティのつくり方はとっても簡単。
常温で3〜4時間、ホットと同じ分量の茶葉を水で抽出するだけ。冷蔵庫でももちろんできますが、抽出時間はちょっと長めにとります。どちらの温度帯でも、もう少し茶葉の量を減らして入れっぱなしでもいいかもしれません。

この抽出方法だと、ポリフェノールがたくさんは抽出されないため、茶液が白く濁ることがありません。また、淹れ方そのものがとっても手軽。その上、いろいろな茶葉で美味しくなるのも魅力です。

先日はダージリンセカンドフラッシュ(マスカテルタイプ)の水出しアイスティをご紹介しましたが、今年のシンブリ農園のファーストフラッシュを使うと、甘露水のような美しい味わいに仕上がりますし、アッサムやローズペコーも美味しくなります。そのほか、08年のカーカスワールド農園のディンブラも軽やかな甘味がよく抽出されて美味です。もちろんアールグレイでも、軽やかなよいアイスティになります。

ちなみに、先日とある硬水のミネラルウォーターでも抽出しましたが、硬水だとポリフェノールの抽出が促進されるためか、低温でも少し濁りました。水道水を使ったほうが、味わいにもバランスがとれるように思います。

また、心持ち高めの温度から抽出をスタートさせるという方法もあるようです。お湯を沸かすという手間はかかりますが、短時間で抽出が済むというメリットもあります。

今まで、アイスティに向くお茶というと、軽めのスリランカのお茶ばかりが取り上げられてきましたが、実際にはそんなことはないのです。ぜひご家庭でもお試しください。

お茶を知る > 淹れ方・楽しみ方 | - | trackbacks (0)2008.05.14 Wednesday

RAW TEAについて

今年のはじめに発売したゴパルダーラ農園の"RAW TEA"については、大変なご好評をいただきました。

ジークレフでは滅多にやらないオーダーメイドの紅茶、しかもつくりそのものもこちらで考案してのものということで、清水の舞台から飛び降りるつもりで世に送り出したこの"RAW TEA"ですが、完売後も予想以上の反響を頂き、スタッフ一同恐縮しております。

この"RAW TEA"の第二弾については、また別の産地でのご紹介を検討中です。
どんなものが出来るやら、私も今から楽しみにしています。

どうぞ今しばらくお待ちください。

産地の息吹 > ダージリン | - | trackbacks (0)2008.05.13 Tuesday