少々古いのですが、あるインドのテ…

少々古いのですが、あるインドのテイスターより、茶、カテキンがマイコプラズマ肺炎の予防に効果的である旨の論文の要旨が送られてきましたので、ちょっと和訳を掲載しておきます。ご興味ある方はご一読ください。

茶、及び茶カテキン((-)エピガロカテキンガレード(EGCg)及び、テアフラビンディガレート(TF3))の抗細菌性について調べたところ、緑茶及び紅茶は、肺を経由して感染するマイコプラズマ肺炎に対して、抗菌性を示した。

また、0.2%(500倍)に濃縮した紅茶及び緑茶の抽出液は、口腔、肺を経由するマイコプラズマに抗菌性を示したが、唾液腺を経由するマイコプラズマに対しては抗菌性を示さなかった。

プーアル茶の抽出液は、口腔、肺を経由するマイコプラズマに若干の抗菌性を示した。

緑茶から抽出した(-)エピガロカテキンガレード(EGCg)と、紅茶から抽出したテアフラビンディガレート(TF3)は、口腔、肺、唾液腺を経由するマイコプラズマに対して、ともに注目すべき抗菌性を示した。

この結果は、茶及び茶カテキンがマイコプラズマ肺炎の感染の予防に、有効であることを示している。

戸田、大久保 [Antimicrobial and microbicidal activities of tea and catechins against Mycoplasma][感染症学雑誌: vol.66:606-611; 1992]

「なんのこっちゃ」と思われる方も多いかもしれません。私もそうです。ちょっと調べたところ、昨年、マイコプラズマ肺炎は、過去に例を見ないほど流行したということで、そのような背景で、この論文がインドの業界紙に引用されたのでしょう。

ひとこと加えておくと、テアフラビンは、紅茶の中でも比較的水色の薄いダージリンやヌワラエリヤ、ないしその他の産地の旬のものに多い成分です。発酵の強い、水色の赤いお茶になると、徐々に減ってきます。

お茶を知る > お茶の豆知識 | - | -2004.05.06 Thursday