そろそろ今年のダージリンセカンド…

そろそろ今年のダージリンセカンドフラッシュの収穫も始まるころです。そこで今年は前もって、「こういう展望のもとに、こういう方針で入荷します」ということを書いておこうと思います。(この方針は基本的にはいつも同じです。)

2004年の展望としては、空前のユーロ高のもと、欧州からの旺盛な需要が見込まれるため、稀少なプレミアムクオリティのダージリンはかなりの相場高になることが予想されます。

実際、ファーストフラッシュ期には、通常の年と同じクオリティであれば10〜20%は高値がついていました。おそらくダージリン、アッサムのセカンドフラッシュでも同じことが起こるでしょう。

このような状況下では、会社によっては、消費地でのテイスティングを全くせずに、産地のテイスターの判断や農園の薦めに従って、買いを入れてしまうといった買い付け方が目立ってくると予想できます。

これはある種のギャンブルです。この買い方で日本の水質にあったものを入手できる確率は、産地のテイスターの技量にもよりますが、通常は50%を下回ります。

ジークレフでは、入荷するロット数は多くないので、このような買い付けはせず、必ず消費地たる日本でテイスティングをして、良いと思うものを入荷します。

この際の「良いお茶」の主な基準は、下記の通りです。
・伝統的なオーソドックス製法でつくられた奇をてらわないものである。
・狭義のマスカットフレーバーを備えている。
・2004年の10月以降にそのお茶の香りがピークに達する。
・望ましい味、望ましい香りの成分が最も充実しているものである。
・但し、農園名には一切拘らない。

上記の条件を備えるお茶のうち、仕入価格には一切拘らず、最も良いものを買い付けます。

産地の息吹 > ダージリン | - | -2004.05.04 Tuesday

龍井茶の産地、杭州に行ってきまし…

龍井茶の産地、杭州に行ってきました。

中国随一の緑茶たる龍井茶が、どのような土、水、気候のもとでどのような品種を使い、どのような作り方をされるお茶なのか。産地の人はどのように接し、どのように味わうのか、市場の論理はどのような仕組みになっていて、どのようなお茶がよいとされているのか。最高の龍井茶はどのような味、香りがするものなのか。それを実地に見てくるのが今回の主目的でした。

今回の視察での感触を率直に言えば、「龍井茶は難しい」のひとことに尽きます。どうつくるか、どう淹れればおいしいのかはともあれ、市場構造が難しすぎる。理由は価値基準のいびつさです。

龍井茶の名産地、西湖の中でも最も良いとされる獅子峰と、梅家塢の2産地は完全にブランドとしての地位を確立しており、既に品質と価格が乖離しています。

例えば梅家塢で、明前の特に早期のものとなれば、法外といっても良い価格で取引されます。同行した現地の知人は、「買う人は飲まない。飲む人は買わない。」と言い切りましたが、どうも味や香りではない要素が、価格設定に与える影響は大変大きいようです。

獅峰龍井に至ってはそもそもなかなか市場で出会うことができません。確かに行く所に行けば獅峰龍井の文字を見ることができるのですが、梅家塢のものに比べると、出所が確かなものの割合も高くはありません。これについての先の知人の説明は、「金はいくら積んでも手に入らない。従って金は問題にならない。問題になるのは人脈です。」なるほど、確かにこれは中国の論理です。

しかし、これはお茶の本質から考えるとおかしな話です。ダージリンだって、季節ごとにどこの農園が最もよいものをつくるかなんて、前もって分かりはしません。できたお茶を飲んで初めて、そのお茶の価値が決まるのです。作り手がよい、農園がよいことはおいしいお茶であることの必要条件ですらなく、まして十分条件であるはずがありません。

ですから、産地、時期で価格が決定するのは、私から見ればリスキーなことですし、人脈を駆使して入手できるよいお茶というのも、あくまでよい産地のよい時期のお茶でしかなく、よい香りとよい味のお茶であるとは限らないという理屈になります。

ちなみにこの市場価値の決まり方は、当然輸出先では通用しないため、輸出のライセンスを持つ会社は、また違ったランク付けをします。

まあこのような状況は、見方を変えれば、味が大変に良くても獅子峰と梅家塢でなければ妥当な価格に近づくということで、味と香りを第一と考えるものにとってはそこにチャンスがあるということではあるんですけれどもね。

理屈が先行してしまいました。
素晴らしく美味しい龍井茶は確かに存在しました。
今私の手元には、大枚を払って購った梅家塢や龍塢の明前龍井がありますが、確かにこういうものを産するとなれば喉から手が出るほど欲しくなるでしょう。

あとは本当に中国茶好きなお客様の手元に、それをいかにしてお届けするか。まだいくつかの障壁はありますが、どうやらなんとかはなりそうです。

産地の息吹 > 中国・台湾 | - | -2004.05.02 Sunday

今日から中国に買い付けに行ってき…

今日から中国に買い付けに行ってきます。今回の主目的は緑茶。行き先は杭州です。

詳細は帰国後。お楽しみに。

産地の息吹 > 中国・台湾 | - | -2004.04.25 Sunday

アルバイト募集…

アルバイト募集

ジークレフでは、アルバイトを募集しています。紅茶好きな方、将来にわたって紅茶の仕事につきたい方の応募をお待ちしております。

条件:
時給:800円より(交通費別途支給)
勤務:週3日(曜日は原則として固定)
勤務時間:10:30より19:00まで 残業あり
勤務地:吉祥寺
勤務内容:紅茶製品の製造・販売
募集人員:1名
応募方法:下記の電話、またはメールでご応募ください。
メールの場合は、氏名、住所、電話番号を明記してください。

コメント:採用にあたっては面接を行い、弊社および採用される方にとって、ともに将来にわたって有益であるかどうかを基準として採否を決定します。

連絡先:
電話:0422-21-4812
e-mail:kawasaki@gclef.co.jp
なお、面接の日程につきましては5/1以降に電話にてご連絡させていただきます。

お店からのご案内 > 従業員募集について | - | -2004.04.25 Sunday

グームティ農園のダージリンファー…

グームティ農園のダージリンファーストフラッシュは、どうやらそろそろ焙煎香が飛んで、本来の風味に到達した様子です。ジークレフでは、この紅茶の入荷以来今週までは、甘みを出すために少々温度を低め(ポットに湯通しをしない程度=90℃)で抽出を行って来ましたが、今日は、きちんと湯通しをして熱湯(ポットに注いだ時点で97℃)でも、はっきりと甘みが勝って抽出されました。

今後はさらに甘みが増すと思いますので、温度もちょっとぐらい低くてもよいし、茶葉の量もちょっとぐらい少なくても充分楽しめる、淹れやすい紅茶としてお楽しみいただけるはずです。

茶葉の量については、通常のダージリンより10%程度少な目を標準と考えるのがよさそうです。(ダージリンについては、抽出の濃さは抽出時間ではなく、茶葉の量でコントロールするのがおすすめです。)おいしくはいった時の茶液の色を覚えておいて、抽出のときには、カップに注いだときにその色になるように濃さを調整すれば、味もほぼ再現できているはずです。

お店からのご案内 > 紅茶 | - | -2004.04.24 Saturday

突然ですが、ティーブレンダーの熊…

突然ですが、ティーブレンダーの熊崎俊太郎さんから、イベントのご案内がありましたので、ここに転載させていただきます。あしからず。

《ティーブレンダー熊崎俊太郎です》皆様、いつもありがとうございます。本日23日17・18・19時の3回、東京渋谷西武B館地下クッキングステーションで紅茶ミニ講座と試飲会を行います。よろしければお仕事帰りにお立ち寄りください。

トリビア | - | -2004.04.23 Friday

2004年のダージリンファースト…

2004年のダージリンファーストフラッシュは結果として、ここ数年では最もよい出来だったといえそうです。

実は今年ジークレフに届いたサンプルの中には、ここ数年で最高と呼び声の高いものがありました。ところがこの紅茶、どうも東京界隈の水とは相性が悪いようなのですね。茶殻とか、カップの残り香から、間違いなく極上の春摘みであることはわかるのですが、茶液自体に、そのよさがなかなか反映されていない。何度か水を替えてテイスティングしたのですが、少なくとも東京界隈の水では、そのサンプルを上回るものが数多くありました。

これが紅茶の難しいところで、産地のテイスターたちが太鼓判を押したその紅茶を入荷したところで、日本でそのよさが体感できないのでは意味がありません。逆に、産地ではちと薄いのでは?というようなサンプルが、日本ではとても充実してはいることもしばしばです。

農園側にも、あらかじめ日本の水を意識して、お茶づくりをしているところもありますが、消費地の側でも、それぞれの地域にテイスターがいて、それぞれの水にあった紅茶を選ぶということは、とても意味のあることなんだと思います。

産地の息吹 > ダージリン | - | -2004.04.18 Sunday

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