今日は雨の中、とても多くのお客様にお越しいただきました。こんな雨の日は、なじみのお客様にもふだんにも増してゆっくりテイスティングを楽しんでいただけます。今日も、秋摘みダージリンを飲み比べしたり、シルバーティップスをゆっくりと抽出してお召し上がりいただいたりと、この季節の香り溢れる紅茶をお楽しみいただくことができました。

暮れも押し迫った土日は、どうしても皆様にくつろいでいただくというわけにもいかず、せっかくお越しいただいてもお好みの紅茶を試飲でお出しできないほど混雑することもあります。じっくりとお好みの紅茶をお探しの向きは、平日か、土日であれば午後２時までないし、６時以降がオススメですよ。

シルバーティップスの人気はすごいものがあります。
名前を耳にすることはあっても、実際にその紅茶を入手するのが難しいためか、紅茶ファンのみなさんの関心も高いようですね。

シルバーティップスとよく似た見栄えのお茶に、白毫銀針があります。中国の白茶の代表格で、こちらも非常な高級茶ですが、風味はもっと香ばしく、シルバーティップスのフルーティーな香りとは、また違った味わいです。

ふたつの銀針茶には、ひとつの共通点があります。シルバーティップスは不老長寿を願って飲まれますし、白毫銀針もまた、めでたいことのあったときに嗜まれるお茶です。どちらもとても福を寿ぐお茶なのですね。

ミリクトン農園の秋摘みは、とてもきちんとした秋摘みらしい紅茶に仕上がっています。この秋、このように甘味とコクがきちんと出る紅茶がとても少なかったことを考えると、これは同農園としては快挙といえるかも知れません。

抽出時間はゆっくりがおすすめで、どうも６分経過後に甘味成分がよく抽出されるようです。コジーをしっかりかけて保温することが必要ですが、手間をかけただけおいしくなりますよ。

雨のせいか、寒さのせいか、それとも連休明けのせいなのか。今日はなかなか布団から抜け出しづらい朝でしたね。私も、誰かベッドティーを運んでくれないかな〜と、できもしない願望を抱きつつ布団の中でぬくぬくと惰眠をむさぼってしまいました。

ベッドティーなる習慣は、英国貴族が朝目覚めと同時に、メイドに運ばせて寝覚めの一杯を飲むというものです。こんなの、もうとっくに昔の話なのかと思っていたら、意外にも実践してる人がいました。

それは我々のよきパートナーであるインドのテイスターです。先日も彼に中国茶をひとそろえ送ったら、武夷岩茶を好んでベッドティとして飲んでいるといったお礼の手紙を受け取りました。彼の奥様は、茉莉花茶がお気に入りのようでした。

確かにインドでなら、こうした英国の習慣は実践しやすいのでしょう。実に羨ましい限りです。

実は先週、キームン紅牡丹を発売しました。2003年の春茶を編みこんだ、茶葉がお湯の中で、牡丹の花のように開花する工芸茶です。

最近は工芸茶も、本当に質のよい茶葉を使って作るんですね。先日好評のうちに完売した出水芙蓉もまた、上質の白牡丹(白茶)でつくられたものでした。

私は基本的には香り本位、味本位でお茶を選びますが、たまにこういう目にも楽しいお茶があると、やはり心が和みますね。

今年のセカンドフラッシュのダージリンは、すごいことになっています。夏に入荷した３種類。どれも入荷した時点でとても素晴らしい紅茶だったのですが、さらにさらに熟成を重ねて、本当においしくなっているんです。

例えばリシーハットのマスカテル。入荷時点であんなにマスカットフレーバーが香ったのに、さらにその風味が増すなんて信じられますか？作り手の技量の底知れなさにつくづく感じ入るばかりです。

実は今日がジークレフの開店記念日です。ちょうど７年前の1996年11月23日が創業でした。でも、いまだに「このお店いつからあったの？」なんて尋ねられます。

この７年間、あまりたくさん売ることに拘泥せず、もっぱら茶葉の品質向上だけに努めてきました。こうして好きなことだけやっても、ここまで辿り付けたのは、ジークレフを愛してくれるたくさんのお客様のおかげです。厚く御礼申し上げます。