2020年ダージリン1stフラッシュについて

5月中旬にもなれば、本来ならダージリンファーストフラッシュが入荷しているはずですが、今年はコロナウイルスの影響を大きく受け、今だ市場にはほとんど出回っていないことと思います。そこで今季のファーストフラッシュについて、今現在でテイスターの目線で受けた印象についてまとめてみたいと思います。

そもそも今季のファーストフラッシュの入荷の遅れたのは、インドで3月25日からロックダウンが始まったためで、すべての紅茶農園も生産がストップしてしまい、併せて出荷機能も停止してしまったためです。実はその後、ロックダウンは継続するも、4月13日から生産が再開されたのですが、最盛期において3週間もの間摘み取りをしなかったため、例年とはいろいろ違ったことになっています。

まずロックダウン前のお茶については、基本的には良好な生産がなされていたようです。ゴールデンウイーク後、出荷可能になったサンプルがジークレフにもまとめて届いたのですが、これを見る限り高標高の名園のファーストフラッシュは、よい天候のもとで生産されていたようです。

興味深いのはロックダウン直後のお茶です。標高の低めの農園においては、芽が硬化してしまい、味わいが少し薄くなってしまっているものも多かったと思いますが、高標高ではそれでも、ギリギリ適期に収穫できたものもありました。今年はどうやらさほど雨が多くなく、生育が進まなかったためです。

ですから、ロックダウン後の紅茶にも、それなりに見どころのあるものがあります。これらは例年では楽しめない、今年だけの紅茶ということになるでしょう。

また紅茶の品種にも晩生のものがあり、それらはロックダウン後でも適期をとらえているものもあるようです。そんなわけで、例年とは異なるファーストフラッシュの楽しみ方が、今年はできます。

入荷まではまだもう少しかかるかもしれませんが、ぜひ気長にお待ちいただければ幸いです。

産地の息吹 > ダージリン | - | trackbacks (0)2020.05.16 Saturday

コロナウイルスの脅威を前にして

カイラベッタスタイル

コロナウイルス、少しずつ身近に迫ってきているように思います。ジークレフでも今、次の対応を思案中です。

最近心掛けているのは、店舗としても個人としても、極力余力を残しておくこと。これから待ち受ける困難は、これまでの比ではないはずだと思うからです。

今、目先の課題に一所懸命になりすぎたり、振り回されすぎてしまうと、これからの長い道のりで絶望してしまうこともあるかもしれません。だから、今は全力を出し切らない。気たるべき事態に備え、力を貯めておくべき時かと思います。

知人の中には、せっかくコロナウイルスで自粛中だからと、ふだんはできない集中的な学びをする方もいらっしゃいます。ふだん多忙な方であれば、それはとても有意義な時間の使い方のように思います。それも一つの生きざま。こういう時こそ、人の器の大きさが知れると本当に思います。

私自身はそこまでせず、様々な可能性に備えている次第。これから起こることは、きっと予想してもしつくせないでしょうから。

手前味噌ではありませんが、そんな時お茶は本当に役立ちます。自分を取り戻す。そして自分の立ち位置を確かめる。その作業をするときに、傍らに美味しい紅茶のある有難み。

どうか皆様も、ぜひ状況に焦らずじっくり構えてください。我々が立ち向かわなければいけない困難は、一息に打ち勝てるようなものではありません。

落ち着いて、したたかに、心に余裕をもって。そして広い視野で物事に対していきましょう。

Good luck!!

トリビア | - | trackbacks (0)2020.03.30 Monday

2020年の新茶入荷につきまして

マハガストータ

新型コロナウィルスは、ついに世界中を席巻するに至りました。インド、スリランカなどの紅茶生産国も例外ではなく、新茶の出荷に大きな影響を与えるに至っています。

スリランカからの知らせでは、3月20日から27日までコロンボでロックダウンが実施され、サンプルの出荷も現品の出荷も止まっている状態です。そしてインドでは昨26日より21日間のロックダウンが実施され、同じく紅茶の出荷にかかる機能はすべて停止しています。26日は、少なくともインドの紅茶農園では生産が行われたとのことですが、この先はどうなるかわかりません。

ダージリン1stは、高標高の名園は初荷すら出荷できない状態です。低標高の農園で少量のみつくられたお茶の中には、幸いにも出荷されたものもありますが、ほとんどのお茶は倉庫で眠ったままになっていることでしょう。アッサムも同様で、出荷できたお茶はほとんどないはずです。

弊社でも、ダージリン、アッサムについては入荷の見通しが全く立っておりませんが、幸運にもニルギリは近年稀に見る極上の紅茶を入手することができており、近日中にご紹介させていただく運びとなっています。ぜひ早春のかぐわしい風味をお楽しみください。

またダージリン、アッサムについても、状況が改善し次第買い付けを進める所存です。いつもより遅めの入荷とはなるかと思いますが、心を尽くしてよいお茶を探していきたいと思いますので、どうぞご安心ください。

産地の息吹 | - | trackbacks (0)2020.03.26 Thursday

ティーマーケットジークレフ目白店の2月の営業日につきまして

ティーマーケットジークレフ目白店の2月の営業日につき、下記の通りお知らせさせて頂きます。

2/11(祝)は営業いたします。(11:00-20:00)
毎週火曜日、水曜日の他、2/20(木)が休業日となります。

皆様のご来店、心よりお待ちしております。

200204目白店カレンダー2月

お店からのご案内 | - | trackbacks (0)2020.02.04 Tuesday

ティーマーケットジークレフ目白店の1月の営業につきまして

ティーマーケットジークレフ目白店は、1月中は多めにお休みを頂戴しております。お客様にはご迷惑をおかけしますが、何卒ご了承くださいませ。

なお、吉祥寺本店、阿佐ヶ谷店は無休にて営業しております。皆様のお越しをお待ちしております。

目白店カレンダー

- | - | trackbacks (0)2020.01.09 Thursday

和紅茶と向き合う

和紅茶1

買い付けの時期が終わり、お茶とじっくり向き合う時間が持てるようになってきたので、またこんな風に紅茶の淹れ方をあれこれと試す時間が出来てきました。

今週のお題はこのやぶきたの紅茶。やぶきたという極ありふれた品種で、価値のある紅茶ができれば、それはお茶づくりに一つの選択肢を与え、和紅茶の裾野を更に広げることができると思うからです。

手前勝手な暴論かもしれませんが、私は和紅茶の普及は、いろいろな面で社会の役に立つと思っています。

まずそもそも、茶業は基本的にCO2マイナスであること。地球温暖化の防止に貢献します。人々がお茶をたくさん飲むことは、茶畑の保全を通じて、森林保護と同等の効果をもたらします。そして今年がそうであったように、多少なりともウンカの影響を受けた紅茶が収穫され、それも高く評価されるようであれば、有機栽培へのモチベーションも働き、生態系への好影響も期待できます。

そして諸外国同様、もし日本でもへき地や山間部でこそ、よいお茶ができる傾向がもしあるとすれば、それは過疎を食い止めることにつながります。

更に、現在の茶の卸売市場は、完全なる寡占市場となっており、少数の買い手の方針や業績の浮き沈みが価格を左右し、多くの小規模農家が操業停止線ギリギリの価格に悩む状況です。和紅茶づくりが需給の調整と付加価値の向上に資するならば、この状況から茶農家が抜け出せる武器のひとつにもなると思っています。

もちろん飲み手の抗酸化作用による老化の防止や、インフルエンザや風邪の予防にもつながることから、これまで言われてきたとおり、健康の増進や医療費の削減にもつながります。

だから、出来上がった紅茶を少しでも美味しく淹れ、少しでもそのお茶の価値が高まれば、それだけ上記の様々な方面に効果が生じると思っているわけです。

これはささやかなことのようですが、たった数年で和紅茶の価値と市場における認知度がどれだけ変わったかを思えば、お茶の可能性を引き出すというこの地味でささやかな営みにも、一定の効果があったことは間違いありません。

特に今は、急激に上昇する和紅茶の品質を前に、作り手を含め、そのポテンシャルを最大限に引き出すことの方が課題になっているからなおさらです。有難いことに、和紅茶のトップレベルの生産者の力量は、飛躍的に向上しています。このペースで改善が進めば、国産ワインや日本酒のように、さらに次のステージに進むことも可能なはずです。

和紅茶をつくる人、和紅茶を飲む人は、自分がその営みを行うことが、どれだけの大きな影響を与えうるかということを、一度振り返っていただければと思う次第です。もちろん茶はただの嗜好品ですから、そんな風に天下国家を論じながらいただく必要はないのですが、そんなことにもつながっているんだと思えば、同じひとつのお茶を飲むにもだいぶ違ってくるはずです。

さて、やぶきたのよいところはすでにそこかしこに植わっていること。わざわざ紅茶づくりのために改植をし、本格的な収穫まで数年を待つ必要がないことです。だから、やぶきたで美味しい紅茶ができれば、希少品種でつくることに比べてお茶の世界に与えるインパクトはずっと大きいと言えるわけです。だから、せっかく美味しいやぶきたの紅茶が出来たのであれば、その良さを極限まで引き出したいわけです。

今日はまた、新たな気づきがひとつありました。おかげで少し展望が拓けた気がしたので、まだもう少しほりさげてみたいと思っています。

和紅茶2

お茶を知る > 淹れ方・楽しみ方 | - | trackbacks (0)2019.09.13 Friday

2019 ダージリン2ndフラッシュ テイスターレポート

テイスターリポート

2019年のダージリンについて概観した、「2019 ダージリン2ndフラッシュ テイスターレポート」が出来上がりました。本日より、ダージリン2ndフラッシュもしくは、ダージリン2ndフラッシュを含むセットをお買い求めの方に差し上げます。ぜひお楽しみください。

お店からのご案内 > 紅茶 | - | trackbacks (0)2019.09.07 Saturday

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