紅茶はウォッカではない。たくさんは飲めない。
･･･昨日発見した愛すべき本「亡命ロシア料理」の中に出てくるロシアのことわざです。

ウォッカの百倍は紅茶を飲んでいる(はずの)私達ジークレフの店員からすると、恐るべきことばではありますが、あの極寒の中、あの大きな体躯を維持しているスラブ人にとっては、それは真実なのかも知れません。

それとも、体の大きさと同様、話もどんどん膨らんでいくのがロシアのレトリックなんでしょうか。

ダージリンファーストフラッシュのテイスティングをしていると、お客様からよく、「これからの季節、アイスティにしてもおいしいかも」というご感想をいただきます。確かにその通り、アイスティにしてもおいしいので困ってしまうのですが、せっかくのファーストフラッシュをアイスティにしてしまってはもったいないという思いもあり、こういうときの返答は、ついことばに窮してしまいます。

もちろんお茶は嗜好品なので、どのようにおのみいただいても飲む人がおいしければそれでよいのですが、やっぱりホットで、それもストレートで、できればきちんと抽出時に保温をして、茶葉の計量もして、もっと言えば抽出する水にもこだわって飲んでくれれば最高なんだけど･･･ととりとめもなく考えてしまうわけです。

まあこんな気持ち、おだしするお茶を心からおいしいと思えないと抱けないわけで、ぜいたくな悩みのひとつなんですけどね。

昨日から、入荷したばかりのプッタボン農園のファーストフラッシュの抽出時間についていろいろと試しています。どんな風にいれてもかなりおいしくはいるのですが、この紅茶にしかない風味を引き出そうとすると、それなりに計量が必要になるのです。

とはいえ、このファーストフラッシュ、どうやら通常の350ccに対し、5gの茶葉で、抽出時間は５分〜６分というところで問題なさそうです。

一方水質に関しては、こだわり甲斐がありそうな気配です。午前中の比較的水質の悪い時間の水道水でもかなりおいしくはいりはするのですが、水を厳選すればするほど、茶葉はそれに応えてくれることでしょう。なんとも楽しみなお茶です。

ファーストフラッシュが届きました。驚くべきことに、木箱を包む麻袋の上から、甘い香りが香っていました。こんなに茶葉の力の強いお茶はずいぶん見ていません。

現在は、最適な抽出時間を検討するために店頭でテイスティングを繰り返しています。ここまで良いお茶だと、どんな風にいれたっておいしいんですが、このお茶にしかない風味を引き出そうとすると、やはりきちんとした計量をした方がよいのです。

本当の発売は明日からですが、今日も店頭におこしいただけたらお淹れしますよ。

3Bマカイバリ農園EX-1は、結局3Aプッタボン農園の入荷を待たずに完売してしまいました。ありがとうございました。オータムナルのやさしさと、ファーストフラッシュの爽やかさを併せ持つこの紅茶、お楽しみいただけたことと思います。

週末からは、吉祥寺店で、プッタボン農園の春摘みを試飲でお楽しみいただきます。春本番のファーストフラッシュをぜひお試しにいらしてください。

一年のうち、ふつうの水道水でもいやにおいしく紅茶のはいる日があります。そして今日はまさにそういう日でした。とりわけダージリンや、ルフナが美味しく感じました。

春先は工事が多いため、水が悪くなることが多く、また雨の日は、塩素くさい水であることが多いのですが、なぜか今日はおいしい。紅茶と水の関係は、なかなか奥が深いです。

ダージリン地方では、どうやらファーストフラッシュのピークが過ぎつつあるようです。先日インドサイドのパートナーと話したところでは、現在届いているサンプルはクオリティが落ち始めているとのこと。この調子では、標高の高い農園は、十分納得のいく収穫ができなかった農園もあったことでしょう。

逆にいえば、中標高の農園は、自農園の収穫という意味でも、競争相手との兼ね合いという意味においても、幸運に恵まれたということにもなります。

幸い今年は、弊社はファーストフラッシュの選定を終えていましたので大丈夫でしたが、あまりじっくりと腰を据えているのも考え物かなという感じがしました。

さて、プッタボン農園のファーストフラッシュですが、早ければ４月１２、１３日には店頭でご案内できるかも知れません。セイロンの旬の紅茶は、もう少し先になりそうです。