前回に引き続き、今日は産地から届…

前回に引き続き、今日は産地から届いたサンプルを元に、春の紅茶の作柄情報をお知らせします。

スリランカのクオリティシーズンはまだ続いています。今年はヌワラエリヤは好調。ディンブラもここ数年では最良の出来ですね。2月に入ってから香りは再度高まり、弊社に届いたサンプルの中では、これからオークションにかかる3月摘みのものが最良のようです。

ダージリンファーストフラッシュは、ノースタクバル農園で卓越したサンプルを見かけました。DJ-24(クローナル)です。これは既に買い手がついてしまっていましたが、もし日本で見かけたら買いでしょう。ほかにも十番台のインボイスでいくつも良いものを見ました。

プッタボン農園、シンブリ農園も好調で、この二つの農園からも、目を見張るべき卓越した紅茶がいくつも届きました。これらの農園は、みな同じ会社によって所有されていますが、この会社はファーストフラッシュが得意なのでしょうか。ここ数年、いつも素晴らしい出来栄えのファーストフラッシュを産出しています。

テスタバレー農園からも素晴らしいサンプルが届きましたが、残念ながら吉祥寺の水とは相性が悪いようでした。他にはジュンパナ、タルボ、バラスン、スーレニ、ナムリング等の農園でよいインボイスを見かけました。

長々と書き連ねましたが、ひとことでいうと、今年は豊作だということです。良心的である程度の鑑定眼を持つ輸入者であれば、問題なく良質なファーストフラッシュを手にすることが出来ることでしょう。

ジークレフでは、ファーストフラッシュは残念ながらいくつもは紹介できません。その代わり、たくさんの優れた紅茶から、更に選びぬかれた最良のものをお届けする予定です。既にグームティ農園から、すばらしく濃密なバニラ香の中国種を入荷していますので、それに劣らない非凡な紅茶、というのが条件です。

産地の息吹 > ダージリン | - | -2004.03.23 Tuesday

今、ジークレフにはダージリンの丘…

今、ジークレフにはダージリンの丘から続々とファーストフラッシュのサンプルが届いています。

現在よいと思ったのは、既に入荷しているグームティ農園のスペシャルロットのほかでは、プッタボン農園とシンブリ農園のもの。ナグリ農園もなかなかでした。すべて中国種です。

プッタボン農園やノースタクバル農園は毎年スタートが早いのですが、今年も既に二桁のDJナンバーがついているものが届いています。とくにプッタボン農園は、品種的にも製茶技術の上でもダージリンでも上位に属する農園で、ファーストフラッシュ期のものには定評があります。

ナグリ農園は、ダージリンの農園仲間の間でも近年一目置かれる存在です。傍目から見ても経営努力を重ね、着実にクオリティを上げているのがよくわかります。

まだまだこれからスタートする農園もありますので、全体の傾向は一概には言えませんが、2004年は、期待できることは確かです。

産地の息吹 > ダージリン | - | -2004.03.19 Friday

スリランカのウェストグロウンティ…

スリランカのウェストグロウンティは今年はすこぶる順調な出来のようです。もうたくさんのサンプルが届いていますが、ディンブラ、ヌワラエリヤとも、甘い香り溢れるインボイスが相当数見つかりました。

この産地については以前このコーナーでお話したとおり、1月中に一度、だいぶよいところまで香りが高まりましたが、本当のピークはまさに今訪れています。おそらくここ1、2週間で、最良のものに出会うことができるでしょう。

産地の息吹 > スリランカ | - | -2004.03.12 Friday

今、幕張では国際食品飲料展が行わ…

今、幕張では国際食品飲料展が行われています。インドからはダージリンなどで農園を経営する会社も出展しているので、私もダージリンファーストフラッシュ(DJ-1)のサンプルをいただいてきました。

インドの茶業関係者は口をそろえて、今年の春摘みは期待が出来ると言います。そしてスリランカの方はみな、今年のディンブラシーズンは良好だと報告してくれました。実際そうなのでしょう。何よりも茶葉がそれを雄弁に語っています。

少し前は、変わったつくりをしたダージリンがよく見本市の場で見られましたが、今年は少し減りました。私に言わせれば、これはよいことです。見かけだけの新製品は、消費者の期待を裏切るばかりですから。そのかわり、本質を見据えた地に足のついたイノベーションもなされ始めているような話をちらほらと伺いました。

たっぷりと旧交を温めたあと、いただいたファーストフラッシュの出来見るべく、早速吉祥寺に戻って試してみました。フラワリータイプの春摘みらしく、甘く香ばしい香りがカップから立ち上ります。茶葉自体の素質がよいことはこの時点でわかります。

しかし、口に含んでみると…。ムムム、どうも昨年秋に伸びた葉をいくらかいっしょに摘んでしまったようですね。発酵が少し不均一で、雑味が感じられました。

昨年の硬い葉と、今年伸びてきたばかりのやわらかい葉とを同じように揉みこんでしまっては、発酵むらも致し方ありません。これはDJ-1などの早いロットが抱えるリスクで、茶摘みがしっかりしている農園でないと、DJ-1であることがアダになる可能性もあるのです。この農園は昨年はとてもよいDJ-1をつくっていましたので、一概にオペレーションが悪いとは言えませんが、今回に限っては次のインボイスに期待したほうがよいようです。

見本市が終わると、いよいよ本格的にシーズン開始です。今年は果たしてどんなお茶が出来上がるのか、本当に楽しみですね。

産地の息吹 > ダージリン | - | -2004.03.10 Wednesday

今日は感激な出来事がありました。…

今日は感激な出来事がありました。さる人の紹介で、大阪の誇る老舗紅茶店、「ムジカ」の堀江さんとお話しできたのです。今でこそ日本に紅茶専門店は数あれど、まだ紅茶専門店というものの存在すらなかったところから、紅茶のよさ、楽しさを知らしめてきたムジカの功績はとても大きく、私たちのような後輩は少なからずその恩恵を受けてきたと言えます。

その意味、堀江さんがジークレフに興味を持ち、(電話でではありますが)お話できる機会をいただいたことは、私自身とても大きな出来事だったんです。

私は、老舗という存在に憧れています。老舗であるためには、本当に価値のあるものを変わらずに提供し続けることが必要です。しかも安く。

ジークレフは創業して未だ8年。ムジカは52年。
あと50年後にも、変わらずに本当によい紅茶を、安く提供して行きつづけられるのか。短いながらも堀江さんとのお話は、ジークレフのリニューアルオープンにあたり、よい意味での刺激を与えてくれました。ありがとうございました。

トリビア | - | -2004.03.09 Tuesday

どうにか無事に開店初日を終えるこ…

どうにか無事に開店初日を終えることができました。
吉祥寺店、オンラインストアにご来店いただいた本当にたくさんのお客様、ありがとうございました。

ちょうど今月はじめ(つまり改装中ですが)に、ジークレフが紹介された本が二冊出版されました。1冊は「cafe sweets」の4月号。こちらは紅茶、中国茶の名店が軒並み紹介されていて、その中に恥ずかしながらジークレフにも1ページを割いていただいています。

もう一冊は以前にも少し触れた熊崎俊太郎さんの「Happy Tea Time」。こちらは、まあ店名と住所だけなんですが…。でもやはりこの本は期待にたがわぬ力作です。熊崎さんと、カメラマンさんとスタイリストさんが、1ページ1ページを丁寧に丁寧に仕上げた素晴らしい出来栄え。内容的にも常に新しい情報が盛りだくさんなところにもやはり著者の人柄を感じさせられます。

最近はお茶に関する情報の充実振りには目を見張るものがありますね。ジークレフも、こういった側面でも皆様のお役に立てるよう努力していきたいと思います。

お店からのご案内 > その他の商品 | - | -2004.03.07 Sunday

今年初めてのダージリンファースト…

今年初めてのダージリンファーストフラッシュのサンプルをテイスティングしました。ある名園の2月摘みの紅茶です。

通常DJ-1という、農園のその年の初荷は、一週間から二週間ぐらい毎日少しずつ収穫してロットをまとめたものが当てられます。(農園によっては、何ロット分か収穫してから、一番よいものをDJ-1として出荷する場合もあります。)

今回届いたサンプルは、その中でも最初に収穫された10kgか15kgかを、それだけでひとつのロットとしてまとめてしまったもの。おそらく去年ジークレフが入荷したマカイバリ農園のウィンターフラッシュのようにEX-1といったナンバーが冠されるような代物です。

さて前置きが長くなりました。今年初のダージリンはどうだったか。
まずは外観。とてもやわらかい羽毛のような茶葉に、ふんだんに含まれたシルバーティップス。それはこの紅茶が、本当に芽吹いたばかりの新芽だけを摘み取ったことを示しています。そしておそらくは茶葉が柔らかすぎたのでしょう。丁寧に揉んだことははっきりしているのに、ティップの中には茶液がにじみ出てゴールデンティップスに変化しているものがあります。つまり結果として揉みが強くなってしまったのです。

では風味の方は。香りはほんのりと甘く、ヒマラヤに訪れた春を思うと、この香りに思わず微笑んでしまいます。口に含むと、香りの割には浅い甘みが舌の上を転がります。余韻は思いのほか強く、カップの残り香は、中国茶の聞香杯を嗅いだように甘く濃密な香りがありました。

してみると、どうも発酵が浅すぎたようです。茶葉の揉みを強くしてしまったために、発酵を止めるタイミングが難しくなってしまったのでしょう。茶葉本来の持つ豊かな香り成分を充分に引き出しきれていないような気がしました。しかしこのサンプルは、ダージリンの丘の茶樹たちが、順調に香りをはぐくんでいることをはっきりと知らせてくれました。

そうそう、今年はスリランカでも、ディンブラシーズンの良いものが出来始めているようです。こちらのサンプルも、もうすぐ本格的に届き始める予定です。

産地の息吹 > ダージリン | - | -2004.03.02 Tuesday

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