今、幕張では国際食品飲料展が行わ…

今、幕張では国際食品飲料展が行われています。インドからはダージリンなどで農園を経営する会社も出展しているので、私もダージリンファーストフラッシュ(DJ-1)のサンプルをいただいてきました。

インドの茶業関係者は口をそろえて、今年の春摘みは期待が出来ると言います。そしてスリランカの方はみな、今年のディンブラシーズンは良好だと報告してくれました。実際そうなのでしょう。何よりも茶葉がそれを雄弁に語っています。

少し前は、変わったつくりをしたダージリンがよく見本市の場で見られましたが、今年は少し減りました。私に言わせれば、これはよいことです。見かけだけの新製品は、消費者の期待を裏切るばかりですから。そのかわり、本質を見据えた地に足のついたイノベーションもなされ始めているような話をちらほらと伺いました。

たっぷりと旧交を温めたあと、いただいたファーストフラッシュの出来見るべく、早速吉祥寺に戻って試してみました。フラワリータイプの春摘みらしく、甘く香ばしい香りがカップから立ち上ります。茶葉自体の素質がよいことはこの時点でわかります。

しかし、口に含んでみると…。ムムム、どうも昨年秋に伸びた葉をいくらかいっしょに摘んでしまったようですね。発酵が少し不均一で、雑味が感じられました。

昨年の硬い葉と、今年伸びてきたばかりのやわらかい葉とを同じように揉みこんでしまっては、発酵むらも致し方ありません。これはDJ-1などの早いロットが抱えるリスクで、茶摘みがしっかりしている農園でないと、DJ-1であることがアダになる可能性もあるのです。この農園は昨年はとてもよいDJ-1をつくっていましたので、一概にオペレーションが悪いとは言えませんが、今回に限っては次のインボイスに期待したほうがよいようです。

見本市が終わると、いよいよ本格的にシーズン開始です。今年は果たしてどんなお茶が出来上がるのか、本当に楽しみですね。

産地の息吹 > ダージリン | - | -2004.03.10 Wednesday