最近ジークレフでは、マハガストー…

最近ジークレフでは、マハガストータのヌワラエリヤで水出しのアイスティをつくるのが流行っています。朝出勤して、350ccの水と5g程度の茶葉をポットに入れて放置しておくと、ちょうどお昼休みの頃に美味しくなっているんです。

このヌワラエリヤ、ホットで淹れるとちょっとした水質の違いにより、さまざまな表情を見せるのですが、水出しのアイスティでは、安定してヌワラエリヤらしい滑らかな喉越しが楽しめます。その風味が、ちょうど蒸し暑い最近の天気にぴったりくる感じで、ついついつくってしまうんですよね。抽出中、冷蔵庫に入れておくことができるのもこのお茶の利点のひとつ。オフィスでもご家庭でも、簡単に出来ますよ。

お茶を知る > 淹れ方・楽しみ方 | - | -2004.06.12 Saturday

北東モンスーンの東の端は、日本。…

北東モンスーンの東の端は、日本。南西モンスーンの西の端はダージリンのある西ベンガル州のあたりです。この両者の間にあるモンスーン気候に属する地域では、お茶のおいしくなる時期が概ね同じであるため、ジークレフでは「モンスーンの紅茶」というくくりで、ダージリン、アッサム、ネパール、中国紅茶を一緒くたにしています。(日本茶や中国茶も同じです。)

さて、今年は既に南西モンスーンがダージリン、アッサムに到達してしまいました。通常、ダージリンのセカンドフラッシュは5月の半ばから6月はじめ、アッサムのセカンドフラッシュはその2週間後というのが相場ですが、今年は例年よりも少々早かったということになります。

それだけならまだよいのですが、実質的にはその2週間以上前、5月15日ぐらいから毎日雨が降り続いていました。過去の茶飲み話を読み返してみると、ダージリンセカンドフラッシュの第一報が届いたのは5月13日でしたから、雨の影響を全く受けていないセカンドフラッシュは、ほんの僅かだったということになります。

しかし、事情はもう少し複雑です。ダージリンの農園の標高は、500m〜2000mに及びます。これはもう丘陵地域というか、ヒマラヤ山脈の中腹なわけです。とすれば、山の天気は極めて複雑ですから、局地的に雨の少ないところもあったかも知れません。山岳地帯で生活している方なら、比較的雨の降っていることが多いエリアとそうでないエリアが隣接しているケースをごらんになられたことがあるでしょうか。日本でも「雨境」なんていう地名が各地に残っています。

少なくとも雨は、一様に紅茶をスポイルしたわけではなく、影響を強く受けたところと、比較的軽微であったところとがあったはずです。また、品種によって雨に強いものと、そうでないものもあることでしょう。

いずれにせよもう結果は出ています。本当に幸いなことに、ジークレフは5月の早い段階のダージリンを確保できました。

ではアッサムはどうでしょうか?クオリティティを探すと言う立場からすると、事態は一層危機的です。ただ、アッサムに関しては、農園が2000もあるというのが救いかも知れません。こちらについては後日お知らせします。

産地の息吹 > ダージリン | - | -2004.06.06 Sunday

個人的な話で恐縮ですが、今日、自…

個人的な話で恐縮ですが、今日、自宅近くでカワセミを見ました。私は小金井市に住んでいるのですが、まだまだ東京の自然も捨てたものではありませんね。

ダージリンセカンドフラッシュについては、そろそろ終息に向かっているように思います。ちょっと早すぎるように思いますが、これだけ雨が続くとそういわざるを得ません。仮にこれから一週間ぐらい天気が持ち直したとしても、すぐにモンスーンシーズンに突入してしまうため、事態が好転するまでには至らないでしょう。とはいえ、市場にはまだよいものも残ってはいるようです。

一方、アッサムのセカンドフラッシュは、そろそろシーズン突入です。昨年のマンガラム農園の紅茶はすこぶる好評でしたので、今年もそれに比肩するものを探してみたいと思っています。

トリビア | - | -2004.06.02 Wednesday

最近、クローナルとは何かというこ…

最近、クローナルとは何かということについて議論があるようなので、私の知っていることを少し書いておくことにします。

クローナルとは、「ある親株と全く同じ遺伝子(=同じ特徴)を持つ茶樹」のことです。(大概の場合、挿し木でつくります。)従って原理的には、中国種のクローナル、アッサム種のクローナル、両者のハイブリッドのクローナル等、さまざまなクローナルが存在してしかるべきです。にも関わらず、実際にはクローナルといえば、あの特有のクローナルフレーバーを備えている。これはなぜか。

これは、1970年代にクローニングが実地に応用されるようになって以来、クローニングの技術が利用して植えられたものが、ほとんど全てチャイナハイブリッドであったという事実によるものです。日本のほとんどの書物では、「クローナルとは中国種とアッサム種を掛け合わせた品種」であるという説明がなされていますが、現実的にその説明は間違っているとはいえないのです。

しかし、なぜそれを「チャイナハイブリッド」でなく「クローナル」と呼ぶのか。

これを丹念に見ていこうとすると、19世紀からのインドの紅茶産業の変遷を、詳細に見ていかなければなりません。これは実に難しい作業で、インドのプロフェッショナルの間でも結論の出ていない問題が含まれています。

「クローナル」を含め、品種の概念については、いろいろとわかりにくいことが多く、きれいに一口で真実を説明することはなかなかかないません。でも、それは別に日本の紅茶に関わる人々が不勉強なせいではなく、インドの茶業関係者にとっても、よくわからない部分だったりするのです。

ちなみにクローニングについては、このオンラインストアのフォトギャラリーのインド編の30番台あたりに参考になる写真をいくつか掲載してあります。これは私がずいぶん前にダージリンの農園(セリンボン農園)に勉強に行った際に撮影したものです。興味のある向きはどうぞご覧下さい。

お茶を知る > お茶の豆知識 | - | -2004.05.31 Monday

ダージリンでは、もはや2週間以上…

ダージリンでは、もはや2週間以上雨が降り続いています。このままモンスーンシーズンに突入することでしょう。例年になく厳しい状況といわざるを得ません。

よいセカンドフラッシュが全くなかったわけではありません。しかし、本当によいものを産する農園は極めて少なく、相場もかなり高騰しています。このような状況で中途半端に情報を流すのは、ほかのバイヤーの方のご迷惑になるため、この1週間ぐらいは、ダージリン情報は控えさせていただいておりました。

一つ言えることは、日本の紅茶専門店の中には、このような状況の中でも、これはと思えるものをおさえることができる底力があるところがいくつもあるということ。レベルの高い消費者に支えられているからです。

弊社もまた、無事に素晴らしいセカンドフラッシュを確保することができました。詳細は、近日中にご案内できる見込みです。

産地の息吹 > ダージリン | - | -2004.05.29 Saturday

ダージリンのセカンドフラッシュの…

ダージリンのセカンドフラッシュの状況は例年になく厳しいものとなっています。このコーナーで買いつけの状況について逐一ご報告しようかと思っていたのですが、現在のところあまりよいニュースには恵まれていません。

とはいえ、こういうときこそふだんからの情報網と産地との信頼関係が試されるもの。今が専門店の腕の見せ所と心得ています。

産地の息吹 > ダージリン | - | -2004.05.28 Friday

セカンドフラッシュのサンプルが、…

セカンドフラッシュのサンプルが、産地から続々と届き始めました。
中には、堂々たるマスカテルフレーバーのものもいくつかあります。

私の見たところ、本来予想されたピークを迎える前に、少量だけ、とてもよい紅茶が摘まれたということのようです。早生のセカンドというべきでしょうか。これは先週までの天候がすこぶる良かったためです。

天候といえば、ダージリン市街ではここ1週間雨続きでした。
適量の雨はクオリティを押し上げます。しかしもし雨が多すぎる場合には、風味は飛んでしまいます。

今年の作柄が、この1週間の雨によって思わしくないものとなる場合には、今届いているいくつかの良質な紅茶は、稀少なマスカテルとなるでしょう。実際、良かったサンプルの後に摘まれたダージリンの風味は、落ち込んでしまっています。

一方今後の天候次第では、今届いているものよりも良い物が出てくる可能性もあるかも知れません。

買付けが一筋縄でいかないのはいつものこと。
もしジークレフが5種類ぐらいのセカンドフラッシュを買付けるのであれば、現時点で最高の物を必ず抑えておくのですが、今回のものは見送ることにしました。ダージリンの買付けは、こういうギャンブル的な要素がつきものです。賭けに強くないとおいしいダージリンは手に入らない、ということもたまにあります。

産地の息吹 > ダージリン | - | -2004.05.22 Saturday

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