晴れればとても暑く、雨が降れば蒸し暑い。日本の梅雨は過ごしにくいですね。ジークレフでは毎年この時期は、ダージリンからたくさん届くサンプルを楽しみに乗り切ることにしています。

今年は、総じておいしい紅茶がたくさんできたセカンドフラッシュ期でしたが、現時点でどこの農園がベストだったかを語るのは、まだ難しいでしょう。紅茶のよしあしは、熟成してその紅茶のピーククオリティを経て、始めて語ることができると思います。

逆に、製茶直後にクオリティがピークに達するような製茶の仕方をしている農園も少なくありません。それらのよしあしを同一の基準で語ろうというのが土台無理なのかもしれませんね。

そろそろダージリンのサンプルは落ち着きを見せ、かわってアッサムセカンドフラッシュが多く届くようになってきました。アッサムについては、農園も多いので、多少のサンプルでは概況を論ずることはできないのですが、まあ、悪いということはなさそうです。メレン農園、マンガラム農園、ノハルハビ農園などから、既に良質なサンプルが届いていますが、今回は時間をかけてじっくりと見ていくことになるでしょう。

その後ダージリンでは、キャッスルトン農園からのサンプルに、目立つものがありました。味に厚みのあるメロータイプのものでした。

その後も、ダージリンセカンドフラッシュのサンプルは産地から続々と届いています。そして、同時にアッサムセカンドフラッシュのサンプルも届き始めました。

ダージリンでは既にご紹介した農園のほか、ジュンパナ農園がよく香る紅茶を産出し続けているように思います。今年は比較的、発酵時間を長めにとった、甘味があって赤みの強い紅茶が多いようですが、ふっくらとした香りとバランスのとれた味わいがよく感じられます。

アッサムについてはまだ詳しいことは言えません。
この広大な産地において、全体像を把握するのは大変難しいことです。ただ、やはり注目の農園というのは限られており、それらを中心にみていこうと思っています。

ここのところ、６日間もこのコーナーを更新していませんでした。書くことがないからではありません。ダージリンの各茶園からはすばらしいサンプルが山のように届いています。そしてそれゆえに、うまく情報の発信ができなかったのです。

先週は、マカイバリ農園とグームティー農園についてコメントしました。この２農園は引き続きとてもよいお茶を産し続けています。両農園ともに、すくなくとも５ロットは、非常に優れたセカンドフラッシュを出荷する見込みです。(基準を「充分に優れた」に変えればこの数字はもっと大きくなります。)

またリシーハット農園からも、メロータイプの味、香りのバランスに優れたサンプルがいくつか届きました。プッタボン農園も、ファーストフラッシュに引き続き大注目です。この農園は、チャイナ、クローナルともに、茶樹の個性を最大限に引き出す製茶で、すばらしいサンプルを送り出し続けています。マーガレッツホープ農園についても、その農園の個性をよく現しているサンプルを、チャイナ、クローナルの両方で見かけました。

ここにコメントしていない農園がよくないというわけでは決してありません。これから素晴らしいサンプルが届く見込みのところもあれば、既に届いているものの書ききれないということもあります。

おそらくこうした状況であれば、見識のあるインポーターなら十分に満足のいくセカンドフラッシュを入荷するのはたやすいことでしょう。ですが、最良のひとつを選び取るとなると話は別です。ジークレフでは、その最良のひとつに狙いを定め、フルチェストで買い付けることにより、今年も格安で提供させていただく所存です。

ただ、当然弊社では、これらすべての紅茶を入荷するわけにはいきません。せめて他社を通じてでも、色とりどりの素晴らしい紅茶が、日本の消費者の皆様のお手元に届くことを祈るばかりです。

今年のダージリンセカンドフラッシュは、試すサンプルごとに心を奪われそうになります。今日もまたいくつかのサンプルが届きましたが、その中で、グームティ農園の早いセカンドフラッシュにはひときわ感銘を受けました。

グームティ農園は、キャッスルトン農園の隣に位置する比較的規模の小さな農園ですが、最近では毎年コンスタントに高品質の紅茶をつくっています。

とりわけ今年のセカンドフラッシュは、既に甘さのあるマスカットフレーバーをきちんと備えたとても満足のゆくお茶に仕上がっていました。私はこの農園のピーククオリティはもう少し先であろうと推測しますが、それだけに今既にこんなに香りのよい紅茶をつくっているとは、敬服に値します。

ジークレフではフルチェストでの購入を前提としているために、あまりたくさんの種類を入荷しない予定なのですが、今年は強力な香りの誘惑にどこまで持ちこたえられるのか、自信がありません。

本当によいダージリンセカンドフラッシュをテイスティングしました。
マカイバリ農園のものです。ウンカ芽特有の甘い香りが芳醇に立ち上り、独特のマカイバリフレーバーを存分に楽しむことができました。

このサンプルはもしかしたら、2003年の同農園の収穫では、ピーククオリティかも知れないし、この紅茶を入荷しなかったことを後悔するかもしれない。そう思いながらも、今回のものは涙を飲んで見送ることにしました。まだ、時期が早すぎるからです。

今年のセカンドフラッシュは本当にすばらしいできばえになりそうです。おそらく、いくつもの薫り高い紅茶が、日本のファンを楽しませることになるでしょう。ジークレフとしても、その中でもとりわけすばらしい紅茶を選びたいと思っています。

ついにセカンドフラッシュのサンプルが届き始めました。
きちんとマスカットフレーバ−が香るもの。すこしやわらかい豆の香りのもの(世間ではこれもマスカットフレーバーとして認知されていますが…)。

最初にとどくサンプルとしては良質だったため、さっそく農園に問い合わせてみると、「もっと良いものをこれからお送りしますよ」と言ってくれました。ならばぜひ最高のものを送ってくださいとお願いし、今回のものは見送ることにしました。ファーストフラッシュの時期とならび、この時期はどうにも浮き足立ってしまいます。ガマン。ガマン。