広大な敷地

コーラクンダー
「農園の広さがわかるように、いいところに連れて行ってあげるよ。」
そう行って連れてこられたのがこの場所です。

「あの稜線のずっと向こうに見える山。あそこまでがコーラクンダー農園です。」
インドの農園が広いのは、もちろん分かっていたつもりでしたが、それでも実際にこうやって見せられると圧倒されます。しかも彼によると、私の背後にも同じぐらいの奥行きがあるというのです。

森に囲まれたこの農園は、標高2300mまでの高さに広がっています。ニルギリの最高峰が、2350mぐらいですから、ほぼ最高峰まで分布しているといえるでしょう。ちなみにこれは、紅茶農園としては、世界でもっとも標高の高い農園なのだそうです。

この農園は、12月にはマイナス12度にもなるということです。実際、今年は霜の被害が甚大で、谷間の茶樹の多くは枝が枯れてしまっていました。

ニルギリの草地
この写真はまさにその谷間の部分です。ここにはお茶を植えても、霜にやられて枯死するのが分かっているので、植えないでそのまま草地で残しているのだということでした。

もともとニルギリはこの草地と、少々の森で構成されていた高山で、19世紀に入植した英国人たちは、森の部分はそのまま残し、草地の部分に茶樹を植えたのだそうです。それゆえ、このコーラクンダー農園は、多くの自然林に囲まれた、まさに自然と一体になった農園として、お茶づくりを営んでいるのです。

南インドで最初の有機栽培農園は、なんとこんな土地でした。人里から離れてこんな土地に暮らし、週に一回、里に下りて買出しをしてはまたお茶作りを続けるこの農園の人々の暮らしは、どんなにかひっそりとしていることでしょう。

そんなことに思いを馳せながら頂く紅茶は、また味わいもひとしおかと思います。その中でも更に渾身の力作といえるお茶をご紹介させていただくつもりでおりますので、どうぞご期待ください。

産地の息吹 > ニルギリ | - | trackbacks (0)2009.02.16 Monday

TRACKBACK URI
http://blog.gclef.co.jp/chanomi/sb.cgi/638
TRACKBACK