注ぎ方による味の違い

難しい話ではありませんが、だいぶマニアックな話題です。

とあるお茶作りの名人にお話を伺った際、お煎茶の注ぎ方の作法について話が及びました。いわく、お煎茶は、注ぎ始めてから10秒間で注ぎ終わるのがよいとのこと。そうすることで、より複雑な味わいが生ずるようなのです。

そこで、早速紅茶でも同じように試してみました。テイスティングカップを2つ並べ、片方は10秒間かけてゆっくり注ぎ、もう片方は即座に注ぎきるようにします。そうすると、やはり10秒かけて注いだ方が味が濃く、即座に注いだ方がすっきりとした味わいになりました。

どちらがよいか、ということは人それぞれでよいと思います。しかし、注ぎ方によっても、味わいに違いが出るということについては、紅茶ではあまり意識して来られなかった部分であるとは言えるでしょう。そのうち、喫茶店の紅茶のメニューに、「こってり」・「さっぱり」という指定が加わる日も来るかも知れません。

余談ですが、以前私が住んでいた東小金井には、珈琲を頼むと、「「こってり」で淹れますか?、「さっぱり」がよいですか?」と聞いてくる喫茶店がありました。

私が「ストロングをさっぱり目で」と注文すると、そのご主人は「ストロングをそんなに強くもなく」と復唱して、時間をかけて丁寧に珈琲を淹れてくれました。私好みのしなやかな味わいの一杯でしたが、残念ながらそのお店は、私が転居するのとほぼ同時に閉店してしまいました。

紅茶の味にももちろんこだわりたいですが、その喫茶店のように、味のある店になれたらいいな、と思ったものです。

お茶を知る > 淹れ方・楽しみ方 | - | trackbacks (0)2008.10.17 Friday

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