一喜一憂

tasting cups1

テイスティングがはじまる直前の一コマです。

あと一分で抽出完了。
静かですが緊迫した時間が流れます。
実は今日は、産地からサンプルが届いたというわけではなく、私自身もお休みをいただいていました。

しかし、もちろん頭からは買い付けのことが離れません。特に今年のように順調すぎる場合、どこかに見落としがないか、誤った判断をしていないかと、不意に不安に襲われたりします。

そこで閉店後に店に向かい、今までに買い付けを決めたもの、買い付けるべきかどうか迷っているものなどを並べてみたのです。

tasting cups2

さあ、抽出が終わりました。どのカップからも、注ぎ始めるや否や個性溢れる主張がはじまります。

ひとつひとつ茶液の色を眺め、茶殻を鑑別し、茶液を口に含みます。
素晴らしい香り。まろやかな味わい。際立つ個性。
今期のテイスティングの中でいちばん贅沢な一瞬がこれです。


検証は無事に終わりました。

買い付けたものはまさしく買い付けるに値するお茶でしたし、心を動かされるお茶はそれに値するだけの価値を体現していました。そして買い付けたいと思いつつ判断を保留しているお茶は、やはりそれなりの理由がありました。(欠点があるとかではなく、すでに十分良いが、もっと良くなるかもしれないということです。)

私は今期は、かなり狙いを絞って買い付けに当たっているはずなのですが、それにも関わらずこの質と量の充実度。そしてこの選択肢の多さ。これをもって豊作と呼べないなどということがあるのでしょうか。

こういう年は、おそらく多少の修行を積んだテイスターであれば、良質なものを抑えることは難しくないでしょう。問題は、今年ならではの卓越したものを抑えることができるかです。

こんな年こそクオリティに妥協せず、最高の一品を追い求めたいと思います。頑張ります。

産地の息吹 > ダージリン | - | trackbacks (0)2007.06.01 Friday

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