昨日の茶飲み話では、紅茶の淹れか…
昨日の茶飲み話では、紅茶の淹れかたは、茶葉の種類によって注意点が異なると書きました。今日からは、それを踏まえ、茶葉別においしく紅茶を淹れるために注意することを簡単に触れてみたいと思います。
まずはダージリン。紅茶の女王と呼ばれるこの紅茶は、淹れるにあたってもそれなりに配慮をしなくてはいけません。
まず、最も重要なのが、茶葉の量とお湯の量の比率です。
カップ一杯に対して、ティースプーンに一杯の茶葉を使うというのが、紅茶のゴールデンルールですが(ポットのための一杯は忘れてください)、ダージリンの個性をすべて引き出そうとすると、この指針は大雑把すぎます。
水質と茶葉の個性によって多少の増減はあるものの、原則として中国種であれば、1.1グラムの茶葉に対し、70-75ccの熱湯。クローナル種であれば、1.0グラムの茶葉に対し、70-75ccが適量です。
ダージリンの繊細なところは、この比率から上下10%の誤差を超えると、だいぶ風味が変わってしまうところ。薄ければ風味が平板になる上にお湯の味がしてしまい、濃すぎると逆に渋みだけが前面に出る上に、香りもこもってしまいます。ですから、ことクオリティシーズンのダージリンのよさを存分に引き出してあげるためには、必然的に0.1g単位まで計れる秤が必要になります。(これは1万円ぐらいで買えます。クオリティシーズンのダージリンの価格を思えば、高すぎるというほどではありません。)ポットの容量も同様にあらかじめ計っておく必要があります。
そして抽出時間は、概ね6分から7分。短すぎてはいけません。5分以下では、甘味もまろやかみも出てこないため、概ね渋くなりすぎてしまいます。逆に10分以上蒸らすと、まろやかみは増しますが、香りが少し控えめになるのと、まろやか過ぎて風味に奥行きがなくなってしまうことがあります。
長い抽出時間の間、茶液が冷めないように、コジーをきちんとポットにかぶせることも、ダージリンティでは欠かせないひと手間です。そして最後に、注ぐ直前に湯通しして温めたカップに、均一に注ぎ分けること。この、温度を高く保つオペレーションをいとわないことで、かぐわしいダージリンの香りを、最大限に引き出すことができるのです。
さて、これで、保温と計量こそが、ダージリンをおいしく淹れる決め手であることがおわかりいただけたでしょうか。しかし、保温はともあれ、0.1gの細やかさで茶葉を計るのは、どの家庭でもすぐにできるというわけではないかもしれません。この場合の便法としては、少し濃いめに紅茶を淹れることをおすすめします。そして、最後にカップにはいったお茶を味見しながら、さし湯を施して調整してあげるのです。
こうすることによって、濃すぎて渋すぎる紅茶、香りのこもってしまった紅茶を、まろやかな、香りあふれる紅茶に整えることができます。厳密に言えば、濃いめに蒸らしたダージリンは、あらかじめ適切に淹れたお茶よりもPhが低くなります。これは、よりまろやかになると捉えることもできますし、味が平板になると捉えることも出来ます。ただ、確実にいえるのは、ポリフェノールは通常よりもよく抽出されていますので、より健康によいということです。
まずはダージリン。紅茶の女王と呼ばれるこの紅茶は、淹れるにあたってもそれなりに配慮をしなくてはいけません。
まず、最も重要なのが、茶葉の量とお湯の量の比率です。
カップ一杯に対して、ティースプーンに一杯の茶葉を使うというのが、紅茶のゴールデンルールですが(ポットのための一杯は忘れてください)、ダージリンの個性をすべて引き出そうとすると、この指針は大雑把すぎます。
水質と茶葉の個性によって多少の増減はあるものの、原則として中国種であれば、1.1グラムの茶葉に対し、70-75ccの熱湯。クローナル種であれば、1.0グラムの茶葉に対し、70-75ccが適量です。
ダージリンの繊細なところは、この比率から上下10%の誤差を超えると、だいぶ風味が変わってしまうところ。薄ければ風味が平板になる上にお湯の味がしてしまい、濃すぎると逆に渋みだけが前面に出る上に、香りもこもってしまいます。ですから、ことクオリティシーズンのダージリンのよさを存分に引き出してあげるためには、必然的に0.1g単位まで計れる秤が必要になります。(これは1万円ぐらいで買えます。クオリティシーズンのダージリンの価格を思えば、高すぎるというほどではありません。)ポットの容量も同様にあらかじめ計っておく必要があります。
そして抽出時間は、概ね6分から7分。短すぎてはいけません。5分以下では、甘味もまろやかみも出てこないため、概ね渋くなりすぎてしまいます。逆に10分以上蒸らすと、まろやかみは増しますが、香りが少し控えめになるのと、まろやか過ぎて風味に奥行きがなくなってしまうことがあります。
長い抽出時間の間、茶液が冷めないように、コジーをきちんとポットにかぶせることも、ダージリンティでは欠かせないひと手間です。そして最後に、注ぐ直前に湯通しして温めたカップに、均一に注ぎ分けること。この、温度を高く保つオペレーションをいとわないことで、かぐわしいダージリンの香りを、最大限に引き出すことができるのです。
さて、これで、保温と計量こそが、ダージリンをおいしく淹れる決め手であることがおわかりいただけたでしょうか。しかし、保温はともあれ、0.1gの細やかさで茶葉を計るのは、どの家庭でもすぐにできるというわけではないかもしれません。この場合の便法としては、少し濃いめに紅茶を淹れることをおすすめします。そして、最後にカップにはいったお茶を味見しながら、さし湯を施して調整してあげるのです。
こうすることによって、濃すぎて渋すぎる紅茶、香りのこもってしまった紅茶を、まろやかな、香りあふれる紅茶に整えることができます。厳密に言えば、濃いめに蒸らしたダージリンは、あらかじめ適切に淹れたお茶よりもPhが低くなります。これは、よりまろやかになると捉えることもできますし、味が平板になると捉えることも出来ます。ただ、確実にいえるのは、ポリフェノールは通常よりもよく抽出されていますので、より健康によいということです。
お茶を知る > 淹れ方・楽しみ方 | - | -2004.01.15 Thursday