中国の食文化では何でもプルプルで…

中国の食文化では何でもプルプルでまろやかなものが上等とされています。例えばフカヒレ、ツバメの巣など、中国の高級食材はゼラチン質のものばかりですし、北京ダックなどもプニプニとした食感を楽しむ料理といえましょう。そんな中国にあって、幻の料理と呼ばれる仏跳牆というスープを食しました。

仏跳牆は、修行僧がその香りに惹かれ、垣根を飛び越えて食べに来るという所以の名前ですが、これに入っている食材がすごいんです。フカヒレ、キヌガサタケ、アワビ、シロキクラゲ、ヒラメのエンガワ、ナマコ、やわらかく仕込んだウズラの卵、サメのクチビル、豚耳、金華ハムと、山海のありとあらゆるプニプニした食材が壷に入って出てきました。

味のことはさておき、一杯食し終わるころには、「滑らかでまろやかでプニプニのプルプル」=最高級という図式が私の頭の中に出来上がりました。

インド、セイロン紅茶の最高級と、中国茶の最高級の境目も、そんなところにあります。紅茶で最良とされるものには、良質の渋みが感じられることがほとんどです。その一方で中国茶は、滑らかなのど越しを与えるまろやかみ溢れるお茶が最良とされます。どちらがよいかは好みの問題ですが、その両方が選べるわれわれ日本のお茶好きは、なんとも幸せな立場にいますよね。

お店からのご案内 > 中国茶・台湾茶 | - | -2003.02.24 Monday