凍頂烏龍茶やダージリンと花粉症に…

凍頂烏龍茶やダージリンと花粉症に関連して、ぜひお耳に入れたい知識をひとつ。実は、花粉症に効くといわれるメチル化カテキンを含むポリフェノール類の抽出にはちょっとしたコツがあるんです。それは抽出温度と時間についてです。

まず、お湯は90度以上の熱湯を使ってください。100℃に近いほどよいです。これは、カテキン類は低温では水に溶けないためで、紅茶の抽出に熱湯を使うのと同じ意味合いです。

そして抽出時間ですが、これはかなり長めにとってください。
ダージリンなら5分以上、凍頂烏龍茶でも香りがベストの30秒から1分程度では、あまりカテキンは抽出されてはくれないので、もし効き目を求めるのであれば長ければ長いほどよしです。

なぜそうのか?ここから先は入り組んだ話で恐縮なのですが、カテキンの抽出には、水のPhが関係するんです。一般に抽出する水のPhが高いと、カテキンはあまり抽出されてくれません。そして、日本の水はPhが高いです。ヨーロッパで紅茶を抽出した場合に比べ、日本で淹れると(香りは出るのに)なかなか味が出にくいのは、ヨーロッパの水に比べ、日本の水が酸性だからなんです。

ではどうすればいいか。実は、お茶を長く抽出すると、水のPhが下がるという研究結果があるんです。ですから長く抽出すると、加速度的に、カテキン類が抽出されてくるんです。そんなわけで、もしポリフェノールの摂取を目的でお茶を飲む場合は、温度を高め、抽出時間を長めとしてください。

それでは渋くなりすぎないかですって?大丈夫。新鮮なお茶であれば、(アッサムを除き、)抽出時間を延ばしても、まろやか味が増すばかりです。決して渋くはなりませんよ。

お茶を知る > お茶の豆知識 | - | -2003.03.11 Tuesday