ダージリンを「紅茶のシャンパン」…

ダージリンを「紅茶のシャンパン」と呼ぶことがあります。今ではダージリンの枕詞になっている感もある呼び名ではありますが、みなさんは「確かに紅茶のシャンパンだ」と実感したことはありますか?

ダージリンのうち、紅茶のシャンパンと呼ぶことができるのは、セカンドフラッシュと一部のプレオータムナルでしょう。まずこれらの紅茶は、さわやかなマスカットフレーバーを湛えています。(マスカットフレーバーは全てのダージリンが有しているわけではありません。)つづいて口に含むと、ほのかな渋みとまろやかみがあいまって、炭酸のような、それでいてまた違った趣のある口当たりを楽しむことができます。また、良質なダージリンはカップ水色も輝きがあり、美しい橙色を湛えています。

そんなわけで、日ごろシャンパンに慣れ親しんでいたヨーロッパ人が、本当においしいダージリンに出会ったとき、それをシャンパンになぞらえるのは自然なことだったと思われます。

そういえばそもそも紅茶には、ワイン同様ポリフェノールがたくさん含まれており、ともにフルーティーな香りを湛え、渋みに魅力があり、色も近いなど、ワインとの類似点はすくなくありません。紅茶をワインになぞらえるのであれば、なおのことダージリンはシャンパンなのでしょう。

ちなみに、店頭で接客をしていると、紅茶好きは意外とワイン好きが多いことに気づかされます。かく言う私もそのひとり。もっとも私は、お酒ならなんでも好きなのですが…。

お茶を知る > お茶の豆知識 | - | -2003.01.29 Wednesday