ダージリンの近況など

ダージリンセカンドフラッシュは、そろそろどの紅茶も香りが開き始めてきました。シンブリ農園 DJ-225マスカテルなどは、きれいなマスカテルを醸し始めていますし、サングマ農園 DJ-147マスカテルなども、日に日に変化をしています。
サングマ農園といえば、今年は"Kakra Musk"というリマークがはじめて登場しました。

"Kakra"とは、ウンカの影響を受けた香気のこと。実はこのリマークが誕生するきっかけとなったのは、DJ-147を買い付けた際の私のコメントではないかと考えています。

というのは、DJ-147の買い付けが決まったとき、サングマサイドに宛ててウンカ芽の乗り具合を称賛するメッセージを送ったのですが、その直後につくられたDJ-151にはじめてこの"Kakra Musk"というリマークがつけられていたのです。

冗談で「それならDJ-147にも"Kakra"をつけてください」とお願いしてみたのですが、それは出来ない相談です。リマークはDJナンバーともども課税のために登録されますから、一旦つけたものを変更はできないのです。

この"Kakra Musk"。だいぶ好評を博したのか、DJナンバーが進むに連れて連発されるようになってきました。おそらく来年からオーガニックの認証を受けるリシーハット農園やプッタボン農園のダージリンでも、きっとこうしたリマークをつけた紅茶が登場することでしょう。有機栽培に移行することでウンカの影響が強まり、より香気豊かな紅茶が出来るのであれば、それにふさわしい名称が必要になるでしょうから、大いにやっていただきたいと思います。

ただし、実のないリマークはどんどん陳腐化します。マスカットフレーバーのほとんど香らない"Muscatel"が横行した結果、こうした差別化があえて必要になったのだともいえます。その意味、ほとんどリマークをつけずグレードとDJナンバーだけで統一しているチャモン農園やシーヨック農園などのスタイルは、すがすがしい態度だといえるでしょう。いずれにせよジークレフでは、リマークのみに惑わされず、本当によい紅茶を探し続けていきたいと思います。

ダージリン・アッサムの入荷がひと段落した今、ジークレフではスリランカから届くウヴァのサンプルと向き合っています。今年は、ニルギリ・ディンブラ・ヌワラエリヤ・ダージリン・アッサムと、好調な買い付けが続いていますが、ウヴァについても清涼な香気を宿す美しい紅茶をご紹介できるよう、頑張りたいと思います。

産地の息吹 > ダージリン | - | trackbacks (0)2007.08.18 Saturday

TRACKBACK URI
http://blog.gclef.co.jp/chanomi/sb.cgi/533
TRACKBACK