珈琲のエルサレム

昨日、どういうわけか気が向いて、銀座の「らんぶる」に行きました。

ここは、関口一郎という珈琲の生き字引のようなおじい様がいて、私が生まれる前にすでに有名店だった珈琲好きのエルサレムのような店です。確か1946年オープンでしたでしょうか。

そのお店がどうなっているか、果たして今もそこにあるのか、ちょっと気になってのぞいてみたのです。
ところが、開けてびっくり。なんとほとんどのスタッフは、10年以上前に私が行ったときに立っていた人ばかり。そして、当の関口御大は、なんと昨日も豆を焙煎していました。聞けば今年で93歳だそうです!!

昨日は、そこでオールドビーンズばかり、酸味系、ほのかに甘味のある酸味系、苦味系を一杯ずつ頼み、オールドビーンズコーヒーに対する認識を、再度改めさせられる体験をしました。

しかし、何かもっと、ここで学べることがあるはず。
そう思って、今日もまたもや銀座に出かけて、らんぶるで昨日と違う3杯を注文しました。

10年以上の長熟の珈琲豆が、どうしてこんな味わいになるのか不思議でなりませんが、店員の方と話しているうちに、長熟の珈琲と長熟の紅茶との間で、何かしら相通じるものがあることに気がつきました。まあ、平たく言えば、長熟に耐えるワインはどんなワインかということと同じ話なわけです。この店への敬意を表して、今年は長期熟成を意識した紅茶をひとつは買い付けることにしました。

それにしても関口さん。かれこれ60年もの間、あのお店で珈琲を焼き続けてきたのですね。そしてあの店のスタッフたち。私が10年でいろいろあったように、彼らもきっと、変わらずあの店に立ち続けながらいろいろなことがあったことでしょう。

それでも変わらぬ何かゆえに、むしろ何も変わっていないかのような安心感を得ることが出来ました。ジークレフもそんな店を目指したいと思います。

トリビア | - | trackbacks (0)2007.02.03 Saturday

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