ここ数年での、紅茶好きの皆さんの…

ここ数年での、紅茶好きの皆さんの知識の深まり具合は目を見張るものがあると思います。ダージリンも、ちょっと前まではロットナンバーにこだわる人はあまり見かけなかったものですが、最近は同じ農園でもロットナンバーが異なればまったく別物であるという認識の下に、ロットナンバーの大切さが理解されてきているように見受けられます。というわけで、今日はDJ-1の話。

ダージリンの場合、ロットナンバーとしては多くの場合DJ-XXが使われます。その年の最初の出荷がDJ-1。DJ-1は多くの場合、初荷であることへのプレミアがつきます。その農園から出荷されたファーストフラッシュの中で、もっとも高価なお茶である確率はかなり高いでしょう。

その一方で、DJ-1がもっともよいお茶である確率は、もう少し下がります。イチローの打率よりは下。おそらく2割前後といったところでしょうか。

出来のよいお茶がDJ-1だった場合、初摘み特有のフェノーリックな清涼感を湛えていることが多いようです。一方で、茶摘みが適切になされていない場合、昨年の秋に伸びた葉が混じってしまうために、風味の持ちが悪いこともよくあります。

こうした特徴ゆえに、DJ-1を愛する人もいれば、逆に敬遠する人もいます。私自身はといえば、DJ-1は見送ることが多いです。

ちなみに今年のテイスティングノートを見たところ、極上クラスとマークした8品のナンバーはDJ-2、DJ-3、DJ-5、DJ-6、DJ-8、DJ-9、DJ-17、DJ-26でした。(もっとも飲んでいないDJ-1も少なくありません。)統計をとっているわけではありませんが、DJ-1からDJ-8ぐらいまでの間にピークが来ることが多いような気がしています。ただしプッタボンやマーガレッツホープのように規模の大きい農園だと、それが後ろへずれ込む可能性も高くなるようです。

お茶を知る > お茶の豆知識 | - | -2006.05.10 Wednesday