ダージリンファーストフラッシュの…

ダージリンファーストフラッシュの収穫は、もう折り返し地点を過ぎています。今年は気温が高まるのは例年並みでしたが、茶葉の生育に必要な「最初の雨」(=ファーストフラッシュ)が降るのが遅くなりました。

このため、プッタボン農園やノースタクバル農園、ナムリング農園といった、一部の灌漑設備の整っている、人工的に水を与え、茶樹の生育をはじめられる農園では、DJ-1の出荷は3月はじめには行われていたのに対し、それ以外の農園では、最初の出荷は3月末を待たねばならないという、変則的なスタートとなりました。

今届いているサンプルでいうと、上記の灌漑設備の整っている農園では、DJ-60からDJ-70に達しているところもありますが、セリンボン農園、シーヨック農園といった高い標高の農園で、特に面積の小さなところでは、ようやくDJ-2、DJ-3が出てきたというところもあります。

作り手や売り手の側から言えば、早く収穫し、早く入荷し、早く発売したいというのは至極当然ですが、私個人は一紅茶ファンとして、灌漑設備を活用せずに伝統的なスタイルを貫く農園を応援したい気持ちもあります。

さて、そんな中で今年はどこの農園がよいものをつくっているかというと、かなりの数の農園が、優れたファーストと呼べるクオリティのものを生産しているように感じられます。

プッタボン、シンブリ、リシーハット、タルボ、オカイティ、サングマ、マーガレッツホープ、セリンボン、シーヨック、グームティ、ジュンパナ、キャッスルトン、リンギア、マリーボーン、タクダル、シャモン、フグリなど。
ざっと思い浮かべても、このぐらいは質の高いファーストを見かけました。

もちろん、私がすべての農園のすべてのロットをテイスティングしているわけではありませんので、これ以外の農園からも、質の高いものが出てきている可能性は十分にあります。

とはいえ、それらの農園が本当によいものを連発しているかというとそうとも限らず、本当に素晴らしいといえるファーストを5ロット以上つくっていると言える農園は、相当に限られてくると思います。

いずれにせよ今年は、見識の高いテイスターであれば、素晴らしいファーストを選び取るに足る環境が備わっているとは思います。ジークレフでも、今のところ満足のいく買い付けが出来ています。

産地の息吹 > ダージリン | - | -2006.04.05 Wednesday