インドから、もはやオータムナルの…

インドから、もはやオータムナルのほぼ収穫が終わったという報告が入りました。あっという間に秋が深まり、冬を迎えつつあるということでしょう。インドとはいえ、ダージリンはヒマラヤの山麓。この時期の最低気温は東京よりも冷え込んできているのです。

ジークレフでは、入荷に向けて万全の体制が整いました。
入荷する紅茶はあとでゆっくりお伝えするとして、今日は、入荷しなかったけどおいしかった紅茶を中心にご紹介します。

量が少ないといわれながらも、良質なものはそれなりに見受けられたこの秋のダージリンの中で目を引いたのは、ブルームフィールド農園のDJ-42とDJ-43(ともにChina)。ブルームフィールドの紅茶なんてめったにお目にかからないと思いますが、今秋はこの農園は頑張りました。DJ-43は、まだ買い手がきまっていないと思いますが、個人的には誰かが買い付ければいいのにと思っています。

ファンの多いタルボ農園のティピークローナルは、この秋は400kg程度の生産となりました。先日、タルボはほとんど収穫が終わったと書きましたが、ちょうどその前後に、2ラインのティピークローナルがリリースされたようです。このDJ-545、DJ-547と、その二週間前のDJ-526との3ラインは良い紅茶でしたが、クローナルばかり入荷したくなかったのでやはり見送りました。3つのうち、少なくともひとつは日本に来るでしょう。残りのひとつ、DJ-519も、良質な紅茶ではあったのですが、吉祥寺の水には向かないようです。もっと硬めの水では、マスカットフレーバーにティピークローナル特有のフルーティーな香りがプラスされた、すばらしい風味にはいるらしいのですが…。

シンブリ農園のクローナル"Superb"、クローナル"Classic"は、今年は当たりです。シンブリ特有の柑橘系の香りが、とてもよく出ています。フグリ農園のクローナルも上出来でした。

中国種では、リシーハット農園の恐らく今週摘まれたものあたりは、おいしくなっているはずです。先週までテイスティングしたものが、それを予見させる出来でしたから。

他にミリクトン農園のチャイナ、ゴパルダーラ農園のクローナルも、去年ご紹介したので見送りましたが、去年よりも今年のほうが良い出来でした。

こうしてみると、けっこう多くの農園が良い秋摘みを世に送り出したことになりますが、けっこう私が選んだ紅茶は、今挙げた中にはありません。そんなわけで、今年は日本のダージリン好きの皆さんには、十分楽しめる環境が整うことになりそうです。ただ、オータムナル全体の収穫量は、昨対比で50%程度。多くの農園には厳しい結果となったようです。

産地の息吹 > ダージリン | - | -2004.11.11 Thursday