北東モンスーンの東の端は、日本。…

北東モンスーンの東の端は、日本。南西モンスーンの西の端はダージリンのある西ベンガル州のあたりです。この両者の間にあるモンスーン気候に属する地域では、お茶のおいしくなる時期が概ね同じであるため、ジークレフでは「モンスーンの紅茶」というくくりで、ダージリン、アッサム、ネパール、中国紅茶を一緒くたにしています。(日本茶や中国茶も同じです。)

さて、今年は既に南西モンスーンがダージリン、アッサムに到達してしまいました。通常、ダージリンのセカンドフラッシュは5月の半ばから6月はじめ、アッサムのセカンドフラッシュはその2週間後というのが相場ですが、今年は例年よりも少々早かったということになります。

それだけならまだよいのですが、実質的にはその2週間以上前、5月15日ぐらいから毎日雨が降り続いていました。過去の茶飲み話を読み返してみると、ダージリンセカンドフラッシュの第一報が届いたのは5月13日でしたから、雨の影響を全く受けていないセカンドフラッシュは、ほんの僅かだったということになります。

しかし、事情はもう少し複雑です。ダージリンの農園の標高は、500m〜2000mに及びます。これはもう丘陵地域というか、ヒマラヤ山脈の中腹なわけです。とすれば、山の天気は極めて複雑ですから、局地的に雨の少ないところもあったかも知れません。山岳地帯で生活している方なら、比較的雨の降っていることが多いエリアとそうでないエリアが隣接しているケースをごらんになられたことがあるでしょうか。日本でも「雨境」なんていう地名が各地に残っています。

少なくとも雨は、一様に紅茶をスポイルしたわけではなく、影響を強く受けたところと、比較的軽微であったところとがあったはずです。また、品種によって雨に強いものと、そうでないものもあることでしょう。

いずれにせよもう結果は出ています。本当に幸いなことに、ジークレフは5月の早い段階のダージリンを確保できました。

ではアッサムはどうでしょうか?クオリティティを探すと言う立場からすると、事態は一層危機的です。ただ、アッサムに関しては、農園が2000もあるというのが救いかも知れません。こちらについては後日お知らせします。

産地の息吹 > ダージリン | - | -2004.06.06 Sunday