ここ何回か、だいぶ詳細に紅茶の淹…

ここ何回か、だいぶ詳細に紅茶の淹れ方について紹介してきました。あるいはマニアックに過ぎはしないかと心配しましたが、店頭でも好意的なご意見をお寄せいただきました。またいつか、このコーナーで、テイスティングやその他の領域についても、ある程度掘り下げたレポートをご紹介させていただきますね。

話はかわりますが、最近私は個人的に日本酒を飲む機会が増えているのですが、昨日は、信州のあるつくり手による大吟醸をいただきました。最近の日本酒は、酵母や酒米などもバラエティに富んでいるのですが、長野の地酒に使われるある酵母を使ったお酒の香りが、ダージリンやウヴァの香り、あるいはプーアル茶の樟香と相通ずるものがある感じたからです。

飲んでみると、確かに清涼なすぅっとする香りが口の中に広がります。うまい!そしてもう一口、酒盃をすすります。

「あれ?」不思議なことに、一杯目ほどの清涼感がありません。おかしいと思って、さらにもう一杯いただくと、なんだか物足りない感じさえしてしまいます。

思い当たって、そばにあったミネラルウォーターを口に含み、再度チャレンジ。するとはっきりと、一杯目の清涼な香りが再現されました。どうやらこの香り、あっというまに口が慣らされてしまい、最初の印象を保ちつづけるには、チェイサー(水)が必要なようなのです。最近の吟醸酒を評して、「利くための酒であって、食事をしながら楽しむ酒ではない」とする意見を耳にすることがありますが、これではそういわれても仕方ないかも知れません。

振り返って紅茶のことを考えてみると、われわれテイスターはふだん一杯ごとに口をゆすいでテイスティングするようなことはしません。と、いうことは経験的に、紅茶の香気成分は日本酒に比べ、そう簡単に慣らされるような香りではないことがわかります。

でも、本当のところはどうなんでしょう?これを確かめるためには、とりあえず紅茶を一杯淹れて、水を使って口を直しながら味わってみればよいわけです。この話自体、この文を書きながら思いついたことなので、まだ試していませんが、次回にでも結果をご報告しますね。

・・・また今日もマニアックになってしまいました。すみません。

お茶を知る > お茶の豆知識 | - | -2004.01.24 Saturday