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和紅茶と向き合う買い付けの時期が終わり、お茶とじっくり向き合う時間が持てるようになってきたので、またこんな風に紅茶の淹れ方をあれこれと試す時間が出来てきました。 今週のお題はこのやぶきたの紅茶。やぶきたという極ありふれた品種で、価値のある紅茶ができれば、それはお茶づくりに一つの選択肢を与え、和紅茶の裾野を更に広げることができると思うからです。 手前勝手な暴論かもしれませんが、私は和紅茶の普及は、いろいろな面で社会の役に立つと思っています。 まずそもそも、茶業は基本的にCO2マイナスであること。地球温暖化の防止に貢献します。人々がお茶をたくさん飲むことは、茶畑の保全を通じて、森林保護と同等の効果をもたらします。そして今年がそうであったように、多少なりともウンカの影響を受けた紅茶が収穫され、それも高く評価されるようであれば、有機栽培へのモチベーションも働き、生態系への好影響も期待できます。 そして諸外国同様、もし日本でもへき地や山間部でこそ、よいお茶ができる傾向がもしあるとすれば、それは過疎を食い止めることにつながります。 更に、現在の茶の卸売市場は、完全なる寡占市場となっており、少数の買い手の方針や業績の浮き沈みが価格を左右し、多くの小規模農家が操業停止線ギリギリの価格に悩む状況です。和紅茶づくりが需給の調整と付加価値の向上に資するならば、この状況から茶農家が抜け出せる武器のひとつにもなると思っています。 もちろん飲み手の抗酸化作用による老化の防止や、インフルエンザや風邪の予防にもつながることから、これまで言われてきたとおり、健康の増進や医療費の削減にもつながります。 だから、出来上がった紅茶を少しでも美味しく淹れ、少しでもそのお茶の価値が高まれば、それだけ上記の様々な方面に効果が生じると思っているわけです。 これはささやかなことのようですが、たった数年で和紅茶の価値と市場における認知度がどれだけ変わったかを思えば、お茶の可能性を引き出すというこの地味でささやかな営みにも、一定の効果があったことは間違いありません。 特に今は、急激に上昇する和紅茶の品質を前に、作り手を含め、そのポテンシャルを最大限に引き出すことの方が課題になっているからなおさらです。有難いことに、和紅茶のトップレベルの生産者の力量は、飛躍的に向上しています。このペースで改善が進めば、国産ワインや日本酒のように、さらに次のステージに進むことも可能なはずです。 和紅茶をつくる人、和紅茶を飲む人は、自分がその営みを行うことが、どれだけの大きな影響を与えうるかということを、一度振り返っていただければと思う次第です。もちろん茶はただの嗜好品ですから、そんな風に天下国家を論じながらいただく必要はないのですが、そんなことにもつながっているんだと思えば、同じひとつのお茶を飲むにもだいぶ違ってくるはずです。 さて、やぶきたのよいところはすでにそこかしこに植わっていること。わざわざ紅茶づくりのために改植をし、本格的な収穫まで数年を待つ必要がないことです。だから、やぶきたで美味しい紅茶ができれば、希少品種でつくることに比べてお茶の世界に与えるインパクトはずっと大きいと言えるわけです。だから、せっかく美味しいやぶきたの紅茶が出来たのであれば、その良さを極限まで引き出したいわけです。 今日はまた、新たな気づきがひとつありました。おかげで少し展望が拓けた気がしたので、まだもう少しほりさげてみたいと思っています。 お茶を知る > 淹れ方・楽しみ方 | - | trackbacks (0)2019.09.13 Friday TRACKBACK URI
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