インド・ネパール訪問

しばらく日本を離れ、インド、ネパールを訪問しておりました。今回は、今まで以上に大きな成果を挙げられたのではないかと感じています。お茶の買い付けは一切しませんでしたが、もしかすると、新たな可能性を切り開くような仕事ができたかも知れません。

ネパールでは、ジュンチヤバリ農園に行ってきました。ダンクタと呼ばれるエリアには、グランセ農園、ジュンチヤバリ農園が道を挟んで隣接していますが、ここはつい20年前までは舗装された道路すらなく、病人が出たときには病人を担いで、2日かけて山道を徒歩で越えなければならないようなところだったそうです。詳しいことはそのうちご紹介しますが、逆に言えば、そのような手付かずの場所であったからこそ、お茶作りに最高の条件が揃っているということのようです。

さて、帰国して真っ先に、今年のダージリンセカンドフラッシュをテイスティングしたのですが、どれも徐々に香りがかもし出されて来たようですね。今期は甘味のあるものを入荷しているのですが、甘いお茶だからこそ、茶葉を多めに入れて強めに抽出した際に、豊潤なマスカテルが感じられるということがあります。

多めといってもせいぜい10%程度で、渋みが甘味に勝たないように淹れるのがコツです。不思議なことに、渋みが勝ってしまった瞬間に香りもこもります。水質にもよりますが、ジークレフで今年入荷したものでは、サングマ農園の2種やシンゲル農園のものでお試しいただく価値があると思います。

同じことは、昨年の熟成したセカンドフラッシュにもいえます。熟成とともに徐々に渋みは抜けていきますので、10%程度茶葉を多めに入れることで、入荷当初よりもずっと深みのある味わいと、豊かなマスカットフレーバーを楽しむことができるのです。

よく東方美人の良質なものについて、数年寝かせることで品質が向上するなどといわれますが、これも同じ原理です。ただし強さを出すのは、原則としてクローナルについてはあまりお奨めしません。クローナルは滑らかに、優美に楽しむお茶ではないかと感じています。

さて、明日からまた吉祥寺店、高円寺店も営業を再開します。同時にアッサムの最終便である、マンガラム農園の2種も発売します。アッサムについては、今年は昨年をはっきり上回る陣容ですので、存分にお楽しみいただけることと思います。また、キームンについても、ここ数年で最も良い出来映えのものが入荷してきています。こちらは9月に入ってからご紹介できるかと思います。

暑いとはいえ、風も出はじめ、少しずつ秋の気配が忍び寄ってきています。今秋冬も豊かな紅茶ライフをお楽しみいただけるよう、スタッフ一同努めてまいります。何卒変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

産地の息吹 | - | trackbacks (0)2009.08.20 Thursday

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