紅茶にはさまざまな香り成分が含ま…

紅茶にはさまざまな香り成分が含まれています。代表的な成分だけでも、20種類程度のものがあり、それらの香りが一体となってひとつの香りを形成しているのです。

ところが面白いもので、香り成分にも比較的保持のよいものと、すぐに揮発してしまうものとがあります。ということは同じお茶でも時間が経つと、どんどん香り(と味)が変化してゆくのです。

昨年のダージリンセカンドフラッシュが非常に出来がよかったことは、既に何度もお伝えしていますが、こんな年はある程度月日が経過すると、マスカットの香りが変化して、白桃のような香りに変わっていきます。この白桃の香りは空気よりも重いため、カップからふんだんに香りたつという感じではなく、むしろカップの中、茶液の上に濃密に薫ります。紅茶を飲もうとカップに口を近づけてはじめて感じる香りなんです。

カップから放たれる(空気より軽い)清涼な香り、飲んだあとに鼻に抜ける余韻は、比較的感じ取りやすいと思いますが、それらとあわせ、このカップに溜まる香りについてもぜひ感じてみてください。

お茶を知る > お茶の豆知識 | - | -2004.02.09 Monday