2003年のダージリンファースト…

2003年のダージリンファーストフラッシュの概況について、もう少し詳しく書きましょう。前回までに書いた農園のほか、特に秀でた紅茶をつくっている農園のひとつに、バノックバーン農園が挙げられます。この農園は、どちらかといえば、マイナーな農園のひとつです。ダージリンの市街地の東北部に位置し、街から歩いていけなくもない距離に立地する、広い農園ですが、この農園は今年、甘く香ばしいだけでなく、プラスアルファの香りがあるロットをいくつか作り出しました。

私がテイスティングしたものはどれも、水色が濃く、堅実なつくりといえるのですが、それでいて光沢もあり、香りもあり、そして発酵も均一に仕上がっているということで、なかなか味わい深いお茶といえます。

また、そのほかではスプリングサイド農園も、安定した品質のものを作り出しています。こちらは、キャッスルトン農園と隣接し、製茶工場も共有しているということで、製茶技術の高さはいうまでもありません。中標高のどちらかというとたおやかな紅茶を仕上げるという印象がありますが、ファーストフラッシュに関しては、香りと味のバランスのよい
中庸の紅茶といったところでしょうか。

そうそう、3/22にご紹介したスーム農園も、予想通りその後もよいお茶を作り続けています。ジークレフでご紹介できないのは残念ですが、きっと日本にも1ロットぐらいは入荷するのではないでしょうか。

産地の息吹 > ダージリン | - | -2003.03.31 Monday